東京理科大学:世界中の教育機関で使われるコンテンツ・マネジメント・プラットフォームBoxを導入し研究開発を支援

「世界の理科大」を目標に掲げ、世界で認められる教育力・研究力を持ったグローバルな大学の実現を目指している東京理科大学は、国際的に通用する研究環境を提供するために「VRE (Virtual Research Environment」を開発した。その中で、重要な学術資産を管理するためのコンテンツ・マネジメント・プラットフォームとして採用したのがBoxである。

チャレンジ:世界の理科大を実現するために、研究者を支援する環境を国際化する必要があった

 

東京理科大学は7学部31学科、学生数2万人、教職員数は1千人を超える、日本有数の理工系の大学である。同大学はキャンパスが神楽坂をはじめ葛飾、野田、そして北海道の長万部と、日本全国に4キャンパスあり、物理的に場所が離れている。従ってインターネットによるコミュニケーションを早くから取り入れ、かつクラウド上でファイルを共有することが必須の環境である。

従来まではそれ程国際化ということを重視していなかった同大学だが、数年前から取り組む「世界の理科大」に向けた施作の一環として「イノベーションを促進する研究コラボレーション環境」を実現するため、新システム「VRE (Virtual Research Environment)」の構築に取り組んだ。理科大はVREにより、(1) 研究業績の集約、(2) 研究費の予実把握、(3) 部門を超えたコミュニケーション、(4) クラウド型のファイル共有、を実現しようとしている。

「簡単に言うと、VREは研究者の様々な雑務を取り除くための支援ツールです」と語るのは、東京理科大学 学術情報システム部情報システム課課長の松田大氏である。「VREにより国内外の研究者が連携し、協働できる環境を実現し、研究活動業務の効率向上を目指す。BoxはこのVREで中心的な役割を果たします。BoxとSNSを使うことで、研究に関する様々な情報を一元管理、大学としては情報を蓄積することで資産化し、将来的な競争の根源として管理します。またVREは企業、OB・OG、他大学の研究者と連携できるよう構築しているところもポイントです」

ツールの選択にあたっては、グローバルな環境で使えること、高度なセキュリティ、そして使い易さを重視

VRE構築にあたって重視した点の一つにグローバルで通用するツールを使う、ということがあった。そこで導入したのがMicrosoft、Salesforce、そしてBoxである。世界に出て行くにあたり、国内でしか通用しないツールを使っていては、海外の研究者とはコラボレーションできない、ということだ。そしてもう一つの大きなポイントが、堅牢なセキュリティを持っていることであった。

「研究者の間では、DropboxやGoogle Driveといったツールを使っている人が多かった。ところがそれを大学のような研究機関が正式に採用するとなると、機密保持やセキュリティ機能の部分で不足があった。それらのツールはあくまでもコンシューマー向けツールであり、大学の最も重要な資産である学術文書、機密情報を管理するには不安がありました。ただ、一方、これらのツールのユーザーインターフェースは使いやすく、研究者も慣れていたので、いくら高機能なエンタープライズ向けツールであっても使い勝手が悪いと不満が出て、いずれ使われなくなります。そこで、コンシューマー用ツールのユーザーインターフェースがもつ使い勝手を持ち、大学が求めるセキュリティに耐えうるツールを調査機関であるGartnerの資料や事例を検討材料としてBoxの採用を決めました」と松田氏は語る。

また他の理由として、SSO(シングルサインオン)に対応していたところがあげられる。Azure ADを使ったOffice 365の認証が可能だったこと、そして開発APIが全て公開されているため、アプリを開発しやすいところもBox選択の理由の一つであった。「Office 365、Salesforce、Boxの間は、SAML2.0によるSSOができるようになっています。また、私たち大学ではMoodleなどのオープンソースソフトウェアを採用することが多いので、開発APIが公開されていて、他システムとの連動性が良いことが重要です」と松田氏は続ける。

 

簡単かつ安全にファイルを共有、コラボレーション

現在の東京理科大学ではBoxのアカウントを専任の教職員全員に配付している。大学全体のデータの容量は3.1TB程である(2016年5月時点)。Boxにアップロードされたファイルの種類としては、.jpgや.docxが多い。.jpgが多い理由は昨年リリースされたBoxのiOSアプリ、Box  Captureが理由の一つと考えらる。iPhoneやiPadで写真や動画を撮影して、そのままBoxにアップロードできるので、研究の様子を気軽に記録することができる。一方ダウンロードされるファイルは、pdf、docx、xlsx、pptxなどOffice関連のドキュメントが殆どだ。大学らしいところでは、「.tex」といった学術論文作成に使うソフトウェアのファイルや、「.log」といったシミュレーションの計算結果のファイルなどもよくダウンロードされている。

「Boxのログをみると、共有リンクも多く使われています。簡単な操作で安全にファイル共有を実現できることが重宝されています。このようにログを追ってどのような使い方をしているのか把握できるのも、Boxの良さの一つですね」と松田氏は語る。「また私たちは先生方にBoxを使った新しいワークスタイルを提案しています。例えば、現状ではメールにファイル文書を添付することで共有していますが、それだとどれが最新文書か、また編集履歴が判らなくなります。今後はBoxのクラウドにある文書をオンライン上で直接編集・保存することで、このような問題を解決し、『クラウド上で安全にコラボ』するスタイルを提案しています」

 

今後のBoxに期待すること

学内でBoxに対するアンケートを取ったところ、「業務の幅が広がる」、「時間短縮になった」、「容量制限が無いのがいい」、「複数人で加筆修正できるのが便利」、「学外ネットッワークからも安全にアクセスできる」、「大容量ファイルの送受信が不要になった」など、非常に役に立っていることが分かっている。

一方改善点も無いわけではない。「唯一改善してほしいところは、他ストレージからの移行。また導入にあたっては、クラウドに対して安心感を持ってもらうことが1つのチャレンジになっています。『安全』と『安心』の違いですね。クラウドは安全なのですが、心理的に安心できない人がいまだに多いことも事実です。『手元にある』ことは安心かもしれませんが、安全ではありませんよね」。松田氏は続ける、「アンケート結果を見ると、Box はちょっと使っただけで、9割の方が『今後の業務に役立つ』と答えてもらえるツールです。私たちも理科大として、より便利に安心して使いこなせるようにしたいと考えています」

 

■ Profile


東京理科大学
 http://www.tus.ac.jp/

明治14(1881)年に東京大学を卒業間もない若き21名の理学士らにより「東京物理学講習所」として創立され、2年後に東京物理学校と改称された。昭和に入り応用理化学部が設置され、昭和24(1949)年に新制大学の発足とともに東京理科大学に改組、理学部に続いて薬学部、工学部、理工学部、基礎工学部、経営学部が次々に設置された。今日では7学部31学科、11研究科31専攻を擁するわが国私学随一の理工系総合大学である。教育研究理念として「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」を掲げ、理学と工学の両分野をもつ理工系総合大学として、自然および生命現象の本質と原理を解明し人類の叡智の進展をめざす「理学の知」と、様々な物・技術・システムを構築して人類の活動の充実と高度化に貢献する「工学の知」を協働させ、「自然と人間の調和的かつ永続的な繁栄への貢献」をめざす教育と研究を行っている。

最終更新日:2017年01月30日

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