今さら聞けない!本当の「働き方改革」とは何か?

2017年の流行語大賞にもなった「働き方改革」。しかし、何を目標としているのか?具体的に働き方がどう変わるのか?的確に説明できる人は限られているのではないでしょうか。とてもシンプルに表すと「長時間労働を減らすことと同時に労働生産性や仕事への満足度も上げること」がその本質と言えますが、果たしてこれらの両立は本当に可能なのでしょうか?企業側、労働者側の双方がwin-winになるためには、何から始めたら良いのか?まずは政府が主導する「働き方改革実現会議」の議論を基に、政府内や多くの企業でどのような議論が行われ改革実現に向けて進んでいるのか、あらためて確認していきたいと思います。
 

3つの労働問題とタイムリミット

なぜ「働き方改革」が必要なのか?その理解のためには、現在の日本社会、企業が頭を悩ませている根本原因をはっきり捉える必要があります。その原因は大きく以下3つの要因に集約されます。

□ 長時間労働の慢性化
□ 人口減少による労働人口の不足
□ 労働生産性の低迷

長時間労働の是正については数多く報道され、皆さんも強く実感されているのではないでしょうか。残業時間の上限規制への対策としては、人員の再配置や雇用の拡大による対応が一般的です。しかし、それらは企業において一朝一夕に対応できるものではありません。また中長期的な視座で見ると、労働人口の減少は更に深刻な課題で、それに伴う人材確保にも頭を抱えている企業が大半というのが実情です。

これらは昨秋の臨時国会で審議予定でしたが、衆院選の影響もあり後ろ倒れになっています。しかし、残業時間対策は大企業で2019年の4月、中小企業でも2020年4月までには施行することを求められており、準備期間を考えるといずれも既に待ったなしの状況です。

 

Point1:「働き方改革」現状の課題

 

  • 長時間労働、残業時間制限に対する対応をどうするか?
  • 労働人口の減少にどう対策を打つか?
  • 正規・非正規雇用、働き方の多様性など有効な人材活用をどう推進するか?

 

 

「働き方改革実現会議」での議論の骨子

これらの課題に対して、政府が主導する「働き方改革実現会議」で計10回の審議・答申が行われました。その第1回目に議題に上がったのが、「非正規雇用者に対する労働条件の改善」と「AIやIoT等の技術革新により働く人の役割やスキルが刻一刻と変化している現状」です。その後、議題にあげられたのは、「長時間労働」「非正規雇用、女性の働き方」「テレワークの促進」「副業」などについて。いずれも耳にされたことがあるテーマでしょう。

第1回目の会議でAIやIoT技術、つまり「IT活用による現状打開の可能性」が語られたのは非常に象徴的なことです。先にあげた3つの労働問題に対して短期的に結果を出すとともに、長期的な視点でも継続的に解決する方法として、IT、デジタルの活用が求められているのは、時代のニーズ・潮流です。その有効的な導入と活用にこそ、働き方改革実現による「新しい働き方の形」があると言われています。

例えば、働き方改革実現会議で幾度も議論に上がっている、積極的な「女性の登用、女性が活躍する職場づくり」について。これは単に企業人事制度の改定だけでは進捗しません。限られた時間内にパフォーマンスを上げつつ、時間や場所を選ばずに仕事ができるようにするには、モバイル環境の整備やクラウドの活用検討は必要不可欠ではないでしょうか。
また、政府が掲げる目標の一つに「脱時間給制度」があり、労働時間ではなく成果重視の働き方が求められています。それらは単に1企業、1部署の努力だけで成し遂げられるものではありません。同じような課題を抱える企業の事例や、同業他社の成功事例を参考にするのもひとつの入り口ですし、先行事例の背後にある共通の課題を見極め、自社が抱える問題の解決に向けて改善可能な施策からひとつずつ実績を積み上げていく。
中長期で考えなければならない働き方改革の取組みですが、小さな1歩づつが本当の意味での「働き方改革」を実現し、「新しいワークスタイル」の確立へと繋がっているのです。

 

Point2:「働き方改革」への具体的対策は?

 

  • 業務効率を上げるデジタル、IT技術導入
  • 労働時間ではなく成果で評価する脱時間給制度の浸透
  • 新しいワークスタイルの模索(非正規社員、女性なども働きやすい環境の整備)

 

 

なぜ「働き方改革」は進まないのか?

では、なぜ「働き方改革が進まない」もしくは「進んでいる実感が薄い」と感じられているのでしょうか?問題を複雑化させている根本的な原因は「主体の複雑化」です。

働き方改革を進めようとする主体は政府、企業、部署、個人などさまざまで、その目的や享受するメリットも主体により異なります。企業内に目を向けても、業務成果の向上とコストの削減を大命題とする経営層と、ワークライフバランスを意識し、自身の価値観やライフスタイルに合った働き方の実現、業務効率アップを目指す現場の間には大きな隔たりがあります。

業種によって実現可能な対策も異なるとともに、労働者の立場も正規雇用、非正規雇用、女性、シニアなど多岐に渡ります。また、例えば首都圏に本社機能を有しグローバルで事業を展開する大企業と地方の中小企業など、企業規模によっても課題や解決法が異なります。

つまり、解決したい目的、手段、対象者など全てが異なっているため、解決の決定打も単一の正解も存在しないのです。とはいえ、この状況にタイムリミットまで手をこまねいている時間はありません。企業経営におけるガバナンスやコンプライアンス、セキュリティなどを担保した上で、働き方改革の取組みをすぐにでも始めなければなりません。
2017年初夏に発表された「企業の働き方改革」実態調査によると、すでに何らかの「働き方改革」に取り組んでいる企業は60%を越えました。具体的な施策としては、「長時間労働の是正」「女性登用」「職場環境の整備」が上げられています。2017年は働き方改革元年でしたが、2018年はその成果が求められる年であることはもはや疑いの余地はないでしょう。

 

Point3:「働き方改革」のボトルネックと現状

 

  • 働き方改革を推進する主体の複雑化
  • 雇用主、労働者など立場を越えたメリットの模索
  • 既に働き方改革に着手している企業は60%以上

 

 

2018年「働き方改革」はどう進むのか?どう進めるべきか?

2018年4月には2013年に施行された労働契約法18条に則り、有期契約労働者の無期転換ルールが適用、2019年4月には同一労働同一賃金ガイドラインの運用も始まります。そのような制度施行の背景もあり、今年は企業内での働き方改革号令がさらに高まることが予想されます。

「働き方改革」は、決して一過性のトレンドや流行ではなく、日本の産業成長と企業の成長のために、長期間に渡り取り組む命題です。しかし、「政府の取り組みだから」と経営層の決定のみに判断を委ね、距離を置くと、やりがいや満足度の薄い「形骸的な取り組み」に留まってしまう懸念があります。法制度改革を後ろ向きに捉えるのではなく、今後の企業の成長を促す人事・人材戦略、企業制度改革、ソリューション導入の一環として、また業務内容や目的に適合した取り組みをボトムアップでも始めるべきではないでしょうか。

 

たとえば、「時間外労働の抑制」に向けては、業務フローの点検と効率化を阻害している制度を再点検する。移動時間やすきま時間など、非効率な時間はないか?コミュニケーションの時間的なロスはないか?時間や場所の制約を打開するにはどうしたら良いか?などの確認から始め、それが会社制度に起因しているのか、活用しているテクノロジーのアップグレードが伴っていないのか、解決の糸口に対しひとつひとつ丁寧に解決していくことが求められます。
それらの課題は現場や実務の先端で取り組む視点からでなければ最適解に辿り着くことは困難です。「女性や若者が活躍する職場環境」「テレワークの推進」「高齢者や外国人就業の促進」なども同様で、個別事象に対し最も有効な施策やソリューションを導入することが求められます。

今後、幾つかのテーマで新しいワークスタイルを考えていきたいと思います。企業での実際の取組み事例も紹介していきますので、本当の働き方改革を実現するための一助となれば幸いです。

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boxsquare編集部

最終更新日:2018年02月05日

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