ファイル共有ソフトは便利ではあるものの、さまざまなリスクを持つことも事実です。もし自社や組織で使用しているなら、どんなリスクがあるのかについても正しく理解しておく必要があります。本記事では、ファイル共有ソフトの利用をなるべく控えるべき理由を説明したのちに、代替となるサービスを詳しく紹介します。
企業がファイル共有ソフトを利用するリスク
ファイル共有ソフトとは、オンラインでつながっている端末同士で、ファイルのやり取りを行えるソフトです。便利なソフトではありますが、一方で以前より情報漏えいのリスクが懸念されているため、企業がビジネスで利用するのはおすすめできません。
2000年代初期に世間を騒がせた、Winnyを覚えている方も多いのではないでしょうか。ファイル共有ソフトの代表格であり、匿名性の高さが特徴でした。便利なソフトであった一方、インストールした端末からの情報漏えいが相次いだことも記憶にあるのではないでしょうか。
Winnyに限らず、ファイル共有ソフトにはこのような危険性が潜んでいることが多々あります。「気づかぬうちに、機密情報や個人情報が流出してしまっていた」といった事態も考えられるでしょう。トラブルを未然に避けるには、やはり利用しないのが一番です。
代わりに活用を検討したい代替手段
企業がビジネスにファイル共有ソフトを利用するのは、さまざまなリスクを招く恐れがあるためおすすめできません。そこで、ここでは代わりとなる代替手段をピックアップして紹介します。単なるファイル共有だけでなく業務を効率的に進める上で非常に有用な機能を持つものもあるので、こちらのブログもご一読ください。
OneDrive
OneDriveは、Microsoftがリリースしているクラウドストレージです。さまざまな形式のファイルをクラウドに保管しておけるので、パソコンやスマートフォンなど多彩なデバイスからアクセス可能となります。Office製品との親和性も高く、WordやExcelなどからダイレクトにOneDriveのファイルを開き、共同編集も行えます。
ビジネス向けのプランでは、誤操作によってファイルを削除してしまったときや、サイバー攻撃を受けたときでも、簡単な操作で回復を行えるようになっています。こうした点はビジネス利用時における大きなメリットと言えるでしょう。
Google Drive
Google Driveは、Googleが提供しているオンラインストレージです。これもマルチデバイスでアクセスでき、ファイルの保存や共有、共同作業などを行えます。独自の検索技術とAIを実装しており、スピーディなファイル検索を誇ります。100種類以上のファイル形式に対応し、すでに導入しているツールと連携した作業も可能です。
容量が無制限のプランもあるため、大量のデータをやり取りしたい企業にも適しています。無料利用期間が用意されているので、あらかじめ機能や操作性を確認できるのも魅力です。
Dropbox
個人から企業レベルまで利用されているオンラインストレージです。さまざまなファイルをクラウドに保存、パソコンやスマートフォン、タブレット端末といったデバイスと同期し、利用が可能です。
ビジネス利用としては、オンラインで個々のタスクを把握できるため、滞りなくプロジェクトを進行させられ、また誤って削除したファイルの復元も行える点が魅力です。無料トライアルもあるので、機能やセキュリティ、使い勝手を確認したうえで導入の可否を検討できます。
Fileforce
3,000社以上が導入している国産クラウドストレージです。日本企業のために開発された経緯があり、名だたる大企業の導入実績もあります。
ファイルの保管や共有ができるのはもちろん、検索に優れているのも特徴です。便利な検索機能を実装しており、求める情報へスピーディにアクセスできます。ファイルの分散保護や暗号化、ログ解析によるトレースなど、必要十分なセキュリティを実装しているのも特徴と言えるでしょう。エントリープランから、大容量かつ多用途に対応可能なエンタープライズプランまで用意されています。
DirectCloud-BOX
中小企業を中心に1,400社以上に導入されているクラウドストレージです。ファイルの保管や共有はもちろん、利用状況の可視化が行えるのも特徴です。
また、部署別の機能制限設定や、複数拠点にまたがるアクセス権付与を容易に行えるのも特徴と言えるでしょう。ファイル共有管理・ファイル持ち出し管理などもできるため、管理者の負担軽減にもつながります。プランにより利用できる容量が変わりますが、利用可能ユーザー数は無制限です。
firestorage
無料のクラウドストレージで、大容量のファイルも容易に共有でき、設定した期間を超過すると発行したURLが自動的に削除されるのが特徴です。
有料会員向けに、ファイルが「いつ、誰にダウンロードされたか」を追跡できるログ機能や、ファイルのアップロード・ダウンロード時に通知される機能もあります。さらに法人向けの有料プランが5種類用意されています。
セキュアSAMBA
4,000社以上の導入実績があるクラウドストレージです。インターネット環境さえ整っていれば、いつでもどこからでもファイルにアクセスでき、容易にファイル共有が行えます。
無料プラン以外はユーザー数無制限で利用できるのも特徴です。端末へのダウンロードを防ぐシステムも実装しているため、社外と情報共有を行うときの情報漏えいを防げます。まずは無料プランで利用し、そのうえで上位プランへの移行を検討するのも良いでしょう。
Box
日本でも規模を問わず、さまざまな業界で1,1000社以上の企業が導入しているコンテンツクラウドです。主に法人利用向けで、ファイル共有はもちろん、リアルタイムな共同作業やシンプルな操作性でありながらセキュリティが高く、またあらゆる業務アプリとの統合などが強みです。
きめ細かなアクセス制限やマルウェア対策等、堅牢なセキュリティを実現しているため、多様な働き方をする昨今、真価を発揮するでしょう。作業のモニタリングも行えるため、組織のガバナンス強化にもつながります。
また、Boxはサポート体制が整っているのも特徴です。Box SupportのWebサイトでは、サポート情報や開発に必要な情報、マーケティング系の情報を得ることができます。導入に関するサポート動画もあります。
まとめ
ファイル共有ソフトの使用は、情報漏えいをはじめとしたさまざまなリスクを招く恐れがあります。そのため、トラブルを未然に回避するためにも、ビジネスで利用するのはおすすめできません。代替手段として、時代に合ったファイル共有方法としてクラウドストレージを利用しましょう。
また、共有は多岐にわたる業務上の行うべきことの1つでしかなく、例えば共同編集やWeb会議でのコミュニケーションで使ったりとデスクトップからデスクトップにコンテンツが移れば良いわけでもないのです。
大容量への対応や堅牢なセキュリティ、充実したサポートなど、企業利用で検討すべき要件はファイル共有だけでなく、コラボレーションを含めて多くあるため、この機会に要件を整理して、適切な代替手段を検討してみてはいかがでしょうか。
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