「コンテンツ管理」という言葉に皆さんはどれだけピンとくるでしょうか?意識している、していないはあれども、コンテンツの無い業務は存在しないと言われるほど、日々業務にコンテンツはつきものであり、コンテンツ管理は企業にとって非常に重要な経営課題なのです。そのコンテンツ管理にはルール整備や管理インフラの構築など、さまざまな課題があります。こうした課題を乗り越え、コンテンツ管理を最適化できれば、組織全体における業務効率化やリスク回避につながるのです。そこで本記事では、企業におけるコンテンツ管理の課題や重要性について詳しく解説していきます。
コンテンツ管理とは
コンテンツ管理とは、Webサイトや販促媒体などで利用する画像や動画等だけではなく、法定保存が必要な請求書といったものやお客様への説明資料、研究開発のドキュメント等々、あらゆるファイルや文書、ドキュメントを管理するマネジメント手法です。従来からさまざまなデジタルデータを集約して統合的に管理することで、必要な情報に容易にアクセスでき、管理ポイントも減らせセキュリティや情報ガバナンスも高められます。
情報は、ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源であり、企業にとって非常に重要度の高いアセットです。コンテンツ管理は歴史的にもいくつか種類があります。
デジタルデータを統合的に管理するシステムを「DAM(Digital Asset Management)」と呼びます。Webサイトの作成や管理の「CMS(Content Management System)」や一般的に特定業務のコンテンツの管理の「ECM(Enterprise Content Management)」など、これらはコンテンツ管理に関するシステムとして良く知られており、聞いたことのあるものを多いのではないでしょうか。こうしたシステムを導入し、動画や写真、テキストやカタログデータといったデジタルコンテンツを適切に管理することで、業務効率の改善と労働生産性の向上、セキュリティの強化につなげるのです。
コンテンツ管理サービスの導入メリット
近年、テクノロジーの発達に比例して、企業が取り扱うデータやコンテンツの量は指数関数的に増大しています。そのため、膨大なコンテンツを適切に管理するためには、優れたコンテンツ管理システムの活用が不可欠です。コンテンツ管理システムを利用して、あらゆるデジタルデータを集中管理することで、セキュアな環境での情報共有や効率的なコラボレーションが可能になるでしょう。ここでは、コンテンツ管理システムを導入することで得られるメリットについて解説します。
効率化により業務負担が軽減
業務を進める上で誰でも経験があるであろうことが、「資料が見つからない」「どれが最新か分からない」といったことです。それがOfficeドキュメントであろうが、PDFであろうが業務担当者は日々、多くのコンテンツを扱っています。一元管理をしないで資料を業務関係者に渡すと、最低でも渡した人の分だけコピーが作られます。そのコピーを各々が編集、更新するのですから、どれが最新か分からなくなるのは当たり前です。また、その共有された資料を各部のファイルサーバーに保管すると、もう他からは見つけられません。こうしてコンテンツのサイロ化が進んでしまうのを、コンテンツ管理システムを導入することで一元的に管理し、資料を探す時間や手間を大幅に減らし、効率化できます。また、コンテンツ管理システムには版管理の機能があるものも多いため、常に最新版で業務を進められるのもメリットです。こうして非効率な業務負担が軽減され、重要なコア業務にリソースを集中させられます。
コンテンツ共有が効率化
従来はコンテンツの管理担当者が、要望や依頼に応じてデータの検索や送信を行っていましたが、コンテンツ管理システムを導入することで共有ネットワークが構築され、管理者でなくともコンテンツの検索や利用が可能になります。これにより、必要とする人が必要な時にコンテンツを共有できるようになり、コラボレーションと効率性が向上します。また、近年業務が社内のみで完結することは少なく、社外エコシステムで業務が成立していることも非常に増えています。それゆえ、コンテンツ管理システムは社外ともコラボレーションできるクラウド型のコンテンツ管理サービスが必須となりました。
また、コンテンツを共有するということは、誰もが情報にアクセスできることを意味するため、セキュリティリスクを懸念する声も少なくありませんでした。しかし、多くのコンテンツ管理サービスはアクセス権限の設定機能を備えており、正しく設定することで強固なセキュリティ環境を構築できます。
ライセンス費用が減少
コンテンツ管理サービスはプレビュー機能を備えている製品が多くあります。例えば、PhotoshopやIllustratorなどで作成したファイルを開いて参照するためには、Adobe製品のライセンスが必要です。しかし、プレビュー機能があればファイルを開かずともデータを確認できるため、参照するだけの業務担当者にはPhotoshopやIllustratorなどライセンスが不要になります。
また、プレビューはダウンロード不要なことが多くダウンロードの時間も要らないということも、業務スピードや思考を止めないという違った業務メリットにつながります。コンテンツ管理サービスを導入することで、ライセンス費用の削減や不要なソフトウェアの排除につながるだけでなく労働生産性を高めることにもつながります。
コンテンツ管理・共有時の課題
業務を効率的に進めるためには、組織内における円滑な情報共有やコラボレーションが欠かせません。コンテンツ管理を最適化することで、部門間やグループ間、業務関係者間の横断的な情報共有と共同作業が可能になり、組織全体にとどまらず、業務全体の生産性向上に寄与するでしょう。しかし、コンテンツ管理には運用・管理のルール整備や管理インフラの初期構築など、さまざまな課題があるのも現実です。ここでは、コンテンツ管理・共有時の課題について解説します。
運用・管理のルール整備
コンテンツ管理を最適化する第一歩は、運用と管理における社内ルールの整備です。コンテンツ管理の目的は、膨大な経営データを包括的かつ一元的に管理し、組織全体やエコシステムまで含んで共有することにより業務効率を高めることです。従業員がそれぞれの独自ルールで管理すると混乱を招き、かえって効率性の低下につながります。したがって、フォルダの階層化や命名規則といったルールの規定が必須でしょう。フォルダの階層をどう設計するかにもノウハウがあります。例えば文書情報マネジメントの講習を受け、コンテンツ管理のコンサルティングサービスを利用し地力を付けることも紙の時代からDX時代になった今、とても有効です。
管理インフラの初期構築の作業
運用と管理のルールを定めたら、コンテンツ管理サイトのユーザー設定やアクセス権限設定などが必要です。情報通信技術の発達に伴い、企業が取り扱うデータ量は日々増大し続けており、データ移行における作業量は膨大になります。システム管理部門は、この管理インフラの初期構築における膨大な作業を行う必要があり、本来の業務に支障をきたす可能性も否定できません。
稼働後の運用作業
コンテンツ管理システムの稼働後は、管理担当者がすべての作業を行うのではなく、データを扱う従業員各々が登録することになります。もちろん、ICTに知見が深い人材ばかりではないため、稼働初期は操作ミスやトラブルも発生するでしょう。システム稼働後も利用状況を確認したり、費用対効果を見直したりといった継続的な改善作業が発生します。社内勉強会を実施したり、ガイドを作成しポイントやコツをいつでも参照できるようにするといった工夫も一般従業員から好評を得られている方法です。
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まとめ
現代のビジネスにおいて、DXが目指す1つのイノベーション創出等新たな市場価値を生み出すためには膨大な業務データや資料をいかに活用するかが重要です。紙からデジタルの時代になり、ファイルや画像、音声とあらゆるものが企業の経営資源、イノベーションの源泉となり、適切なデジタルコンテンツの管理が必須と言えます。
DX時代にこそ、あらためて企業のコンテンツに目を向け、どう管理(活用を含む管理)していくかという経営課題に立ち向かう必要があるのです。キーワードは「サイロ化」を解消し一元管理することです。コンテンツ管理のノウハウが不足しているようであれば、紙からデジタルに移った今なら、コンテンツクラウド導入の機会に、コンテンツ管理のコンサルティングも同時に検討するのも正解への近道かも知れません。
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