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メールの誤送信対策とは? 原因やリスク、対策法と事例について解説

 公開日:2021.02.12  更新日:2024.02.07

  Box製品セミナー

メールは、ビジネスの場において今も欠かせないコミュニケーション手段のひとつです。しかし、宛先間違いやファイルの添付間違いなど、ちょっとしたミスが情報漏洩につながりかねない危険性を潜んでいます。本記事では、メールの誤送信の原因やそれによりもたらされる影響を解説し、情報漏洩を防ぐ方法をご紹介します。

メールの誤送信対策とは? 原因やリスク、対策法と事例について解説

メールを誤送信する4つの原因

メールの誤送信を防ぐには、原因を把握したうえで適切な対策を行うことが大切です。メール誤送信の主な原因は、宛先間違いやファイルの添付間違い、メール本文の誤り、運用ルールに反する行動の4つが挙げられます。

1. 宛先を間違える

メールの宛先に本来送るはずでなかった相手のアドレスを入力して送信してしまうと誤送信につながります。アドレス帳から選択する際に間違えたり、宛先の候補を表示する機能で誤ったアドレスを選択したりするといったケースです。

メールの一斉送信が情報漏洩につながるリスクも考えられます。同じ内容のメールを複数人へ一斉に送信する場合、BCCを使用するのが一般的です。BCCでなくCCを使うと、宛先に指定された人のメールアドレスが他の受信者に共有されてしまいます。

2. 添付ファイルを間違える

メールに添付するファイルを間違えてしまい、情報漏洩につながるケースが考えられます。他社との取引情報や顧客の個人情報、自社のノウハウに関するコンテンツ、未公開情報が書かれたプレスリリースなどを誤って添付し、送信してしまうケースです。

似たファイル名が多い、ファイルの選択ミスをした、急いでいて添付ファイルの確認を怠ったなど、さまざまな原因があります。添付ファイルに含まれる情報の機密性が高ければ高いほど、情報漏洩した際に企業や組織が受けるダメージは大きくなります。

3. メール本文を間違える

A社の担当者へ伝えるはずだったメッセージを誤ってB社の担当者に送ってしまうといったケースです。自社と取引のあるA社に案件情報を送ったつもりが、競合であるB社に送ってしまったとなると自社の信頼を失墜させることとなり、ときに甚大なダメージを被るおそれがあります。

こうした事案も、宛先を確認しなかった、内容を精査しなかったなどのヒューマンエラーが原因です。以前送信した似たような内容のメールをコピー&ペーストしたり、他社に送った見積もり金額を修正せずに送信してしまい、情報漏洩につながった事故も実際に起きています。

4. ルール違反やルールに問題がある

メール運用ルールを設けていたとしても、従業員が守っていなければセキュリティリスクを下げることはできません。重要な情報を含むメールを送信する際には決裁者の判断を仰いだうえで送信するといったルールが定められていても、守られていなければ情報漏洩につながる可能性が高まります。

運用ルールそのものに問題がある場合もあります。たとえば、従業員が把握しきれないほど運用ルールが多いケースです。ルールが多すぎると従業員がすべてを把握できず、ルールそのものが形骸化してしまうリスクがあります。セキュリティと利便性は相反することが多いですが、考えられる対策を闇雲にルール化すれば良いわけではなく、効果の高いものを確実に実行できるようにしましょう。人の注意だけで対策するのではなくシステム化で対策することも検討すべきです。

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メールの誤送信対策|5つの防止策を解説

メールの誤送信は重大な情報漏洩事故につながるおそれがあり、取引先や顧客にも多大な迷惑をかけてしまいます。自社の社会的信用の失墜を招き、事業継続が危ぶまれる事態に陥る可能性もあるため、適切なメール誤送信対策を講じる必要があります。

1. オートコンプリート機能の無効化

オートコンプリート機能は、アドレスや名前などを入力した際に候補を表示してくれる機能です。便利な機能ではあるものの、多くの企業で宛先誤入力による誤送信の原因にもなっているため無効化を検討してみましょう。

オートコンプリート機能の無効化方法は、使用しているメールサービスによって異なります。Outlookなら、「ファイル」を選択したあと「オプション」→「メール」へと進みます。「メッセージの送信」で「 [宛先]、[CC]、[BCC] に入力するときにオートコンプリートのリストを使用して名前の候補を表示する」のチェックボックスからチェックを外します。設定を変更したら、下部に表示されている「OK」を選択して画面と閉じます。

2. チェックリストの作成

チェックリストを作成し送信前のチェックを徹底することによって、誤送信の対策が可能です。チェックリストは、本文作成後、送信直前、送信後など、フェーズに分けて作成すると効率的な運用を行えます。

本文作成後にチェックすべき項目としては、以下が考えられます。

  • 会社名などに誤字脱字はないか
  • 数値情報に誤りはないか
  • 不適切な表現はないか
  • 分かりにくい用語は含まれていないか

送信直前には、以下の点をチェックしましょう。

  • 宛先に間違いはないか
  • 件名は記入されているか
  • 添付ファイルに誤りはないか
  • CC/BCCに誤りはないか

送信後のチェックリスト項目としては、以下が挙げられます。

  • 送信エラーはないか
  • 文字の崩れはないか
  • ファイルの添付漏れはないか

チェックリストを作成しても、適切に運用されていなければ効果は期待できません。チェックリストの使用をルール化し、従業員への周知も徹底しましょう。

3. 送信の一時保留機能を使用

メールの一時保留機能とは、ユーザーが送信操作をした後にメールの送信を一時的に保留する機能です。一時保留機能を利用すると、宛先や内容の誤りに気づいた際に送信をキャンセルできます。

Outlookなら、「ファイル」を選択したあと「オプション」→「詳細設定」へと進みます。「送受信」で「接続したら直ちに送信する」のチェックボックスからチェックを外します。設定を変更したら、下部に表示されている「OK」を選択して画面と閉じます。

この設定を行うと、メールの送信操作を行っても即座には送信されません。一時的に送信トレイへ格納されるため、宛先や内容、添付ファイルなどを確認したうえで送信できます。メールに問題がないことを確認したら、画面上部の「送受信」タブから「すべて送信」を選択します。

4. 第三者チェックの実施

メールの送信前に第三者によるチェックを実施することで、作成した本人では気づけなかったミスに気づける可能性があります。特に機密情報や個人情報などの重要な情報を含むメールを送信する際には、ダブルチェックやトリプルチェックなど、複数人によるチェックが有効です。

より効率的に第三者チェックを実施するのなら、メールのCCやBCCの機能を活用しましょう。メールを送信する際、CCやBCCに上司やチームリーダーなどを追加しておけばメールを共有できるため、万が一誤送信が発生した際も早期発見につながり、スピーディに対処できます。

大切なのは、これらの対策を会社としてルール化することです。目視によるチェックやCC、BCCの活用を個々の社員に伝えても、守られないケースが想定されます。明確なルールとして定め、対策の実施を徹底しましょう。

5. クラウドストレージの導入

機密性の高い情報を頻繁にメールでやり取りする場合、必然的に第三者によるチェックの回数も増えます。チェックの頻度が増えると、業務効率や生産性に悪影響を及ぼすおそれがあります。人間による対策だけでは、いくら注意をしても間違いやチェック漏れをゼロにはできません。かつては有用とされてきたパスワード付きZipの添付(PPAP)も、現在ではメール誤送信の有効な対策とはならないと考えられています。

そこでおすすめなのが、クラウドストレージやクラウドストレージ機能を持ったコンテンツクラウドの導入です。データをノートパソコンや社内のファイルサーバーではなく、クラウドにあるストレージで管理し、アクセス権限を付与された人だけがアクセスできる環境を整備すれば、従来のように機密情報の実ファイルをメールに添付して送信する必要がなくなります。実ファイルを添付するのではなく、クラウドストレージにあるファイルのURLを送るのです。

ファイルの場所を示すクラウドストレージのURLを本来とは異なる相手に誤送信したとしても、アクセス権限を付与されていない人はアクセスできません。また、クラウドストレージを導入すると、ノートパソコンやタブレット端末などにデータを保管する必要がなくなるため、端末の紛失や盗難が発生した際にもデータの漏洩を防げます。

メールの誤送信による3つのセキュリティリスク

メールの誤送信によって発生するリスクとして、個人情報や機密情報の漏洩が挙げられます。これらの情報が流出した場合、取引先や顧客からの信用を失い、事業の継続すら危ぶまれる事態が考えられます。また、自社の技術やノウハウが流出すると、市場における優位性を維持できなくなる、競合にシェアを奪われる、といった事態に陥るかもしれません。

1. 個人情報漏洩のリスク

顧客の氏名や住所、電話番号、クレジットカード番号などの個人情報が流出した場合、クレームが発生するだけでなく、法的な責任問題や損害賠償にも発展しかねません。顧客や取引先の信用も失い、客離れや不買を招き、業績の大幅な低下も考えられます。

東京商工リサーチが2023年に公開した情報によると、2022年に上場企業およびその子会社で発生した情報漏洩・紛失事故の件数は165件でした。これは、2012年から調査を始めて以来もっとも多い数字です。

165件のうち、原因でもっとも多かったのは「ウイルス感染・不正アクセス」の91件です。「誤表示・誤送信」は43件で全体の26%を占めました。これは、「ウイルス感染・不正アクセス」に次いで大きな数字です。

参照:TSRデータインサイト|個人情報漏洩・紛失事故 2年連続最多を更新 件数は165件、流出・紛失情報は592万人分 ~ 2022年「上場企業の個人情報漏洩・紛失事故」調査 ~

2. 機密情報漏洩のリスク

機密情報が漏洩すると大きな損害を受ける可能性があり、内容によっては法的措置を取られるおそれもあります。自社の技術やノウハウ、プレスリリースのドラフトなど、一般公開されていない情報は基本的にすべて機密情報として扱うべきです。

宛先や添付ファイルを誤った結果、第三者へ自社や他社の情報を漏洩させるケースに注意が必要です。顧客に提示した見積もり金額を同業他社に間違えて送信してしまったり、たまたま社内会議で聞いた情報を世間話のつもりでメールに記載し他社の担当者へ送ってしまう例があげられます。

3. 企業の信用低下リスク

情報漏洩が発覚した場合、他社や世間からの信用を大きく落としてしまう事態は、まず避けられません。メールを誤送信した本人だけでなく、会社全体のイメージも損ねかねません。もし、損失を被った企業が訴訟を起こせば、多額の賠償金を支払う事態も起こり得ます。情報漏洩1件における平均損害賠償額は6億円前後にのぼるとされており、これをきっかけに倒産してしまった企業も存在するほどです。

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まとめ

メールの誤送信によって、企業が窮地に立たされるケースは多々あります。社会的な信用を失うだけでなく、取引先や顧客から損害賠償を請求されるおそれもあるため、企業には適切な対策が求められます。

メール誤送信による情報漏洩を防ぐには、個々の社員によるチェックのみに任せるのではなく、組織としての運用体制やチェック体制の構築、ルール化などが必要です。ただ、それだけでは誤送信をゼロにすることは難しいため、上記でご紹介したクラウドストレージやコンテンツクラウドを利用するといったシステムで防止対策をすることが根本解決につながります。

適切なメール誤送信対策は、組織や取引先、社員を守ることにつながるため、この機会に有効な対策を始めてみましょう。

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