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従業員エンゲージメントの拡大が会社に与える影響について

 公開日:2019.06.27  更新日:2023.04.18

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最近「従業員エンゲージメント」という言葉をよく聞きます。企業にとって重要な言葉ですが、その意味を正確に捉えている人は少ないかもしれません。しかし、従業員エンゲージメントに着目してみると、企業が抱えている課題や今後取るべき方針が顕在化してきます。

果たして、従業員エンゲージメントとは何なのか?今回は従業員エンゲージメントについて解説します。

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そもそも「エンゲージメント」とは?

エンゲージメント(Engagement)という言葉は、直訳すると契約・債務・婚約・雇用などの意味があります。ビジネスでは主に、マーケティング用語や経営用語として用いられています。

たとえばTwitterやFacebookといったSNSでは、企業アカウントの投稿に対してどれくらい閲覧・投稿・いいね、などがされたかを測定し、数値化したものをエンゲージメントと呼びます。要するに、「ユーザーと企業との繋がりの深さを表す指標」であり、顧客エンゲージメントと表現します。「エンゲージメント」が高い企業アカウントほど、より多くのユーザーに受け入れられ、ブランディングや企業経営が順調に進んでいるとも言えます。

従業員エンゲージメントとは何か?

上記の説明だけで従業員エンゲージメントが何かを理解した方も多いかもしれません。しかし、誤解もあるかもしれないので一から解説します。

まず、エンゲージメントは前述の通り「企業やサービスとの繋がりの深さ」を示す指標の1つです。ただし、従業員エンゲージメントの場合は「従業員と企業が互いに深い繋がりを持ち、従業員は企業の経営戦略等を理解し、納得し、ビジネスに貢献するために行動する自発的な意欲」を指します。

実は従業員エンゲージメントに明確な定義はまだありません。これを指標として運用する場合は、まず独自の定義を行うことが大切です。上記は従業員エンゲージメントのさまざまな定義を総合的に捉えてまとめたものなので、指標を立てる上での参考にしていただければと思います。

また、本稿では上記の定義をもとに話を進めていきます。

間違ってはいけない「従業員満足度」と「ロイヤリティ」

従業員エンゲージメントを活用する上でまず理解しなくてはならないのが、「従業員満足度(サティスファクション)」と「ロイヤリティ」との違いです。

従業員満足度というのは、あくまで企業に対して従業員が持つ満足度のことであり、それは給与や福利厚生、職場環境、組織から与えられるものに対してどれくらい満足しているかに過ぎません。もちろん、従業員満足度が高ければ離職率の低下には貢献しますが、満足度が高いからといって従業員が自発的な意欲を持つかどうかは別の話です。

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一方、ロイヤリティは直訳すると「忠誠」や「忠実」という意味があります。従業員に対しては、企業への忠誠心が高いかの意味合いで使われることが多く、従業員から企業に対して一方通行という点が従業員エンゲージメントと異なります。従業員エンゲージメントは双方向の繋がりを意味し、ロイヤリティも従業員満足度と同じく、高いからといって業績に影響があるとは限りません。

これらの違いをしっかりと理解していないと、「従業員エンゲージメントを高めるために福利厚生を充実させよう!そして売上を拡大しよう!」といった、間違った施策を打ち出してしまう可能性があります。

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日本企業の従業員エンゲージメントは低い?

世界から見て、日本企業の従業員エンゲージメントは低いことをご存知でしょうか?これは、海外のさまざまな調査会社等が行ったアンケート調査の実際のデータに表れています。

ITmedia『日本の「従業員エンゲージメント」が低い、4つの事情 (1/4)』(https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1812/27/news028.html

DIAMOND online『世界でダントツ最下位!日本企業の社員のやる気はなぜこんなに低いのか?』(https://diamond.jp/articles/-/30488

様々な理由が挙げられますが、身近なところで言えば「給与と時間がリンクしている」ことが大きなものでしょう。日本企業の多くは、一部の管理監督者を除けば能力があり、短時間で成果を出しても、あまり給与に影響しません。

企業の正社員というのはその能力や成果に対して給与が支払われるのが本来の姿にもかかわらず、多くの企業が知らずのうち「時給制」を採用しているようなものです。要するに、正社員もアルバイトも給与が支払われる基準が同じなので、決められた時間を満たすように仕事をこなしていく結果、企業や仕事に対するエンゲージメントがみるみる下がっていきます。

このことから、従業員エンゲージメントとは「仕事に対して積極的な人材がどれほど揃っているか」で決まるのではなく、企業側が完全にコントロールして高められるものということが言えます。

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従業員エンゲージメントが企業に与える影響

では、従業員エンゲージメントを高めることで、企業にはどういった影響が生じるのでしょうか?

影響① より良い職場環境を構築できる

従業員エンゲージメントが高い職場では従業員の「心理的安全」が確保されるようになります。心理的安全とは言えば、「自我を押し殺すことなく自然体で過ごせること」です。昨今、欧米諸国をはじめ職場環境における心理的安全の重要性が叫ばれています。

従業員全員が自然体で過ごせるような良い職場環境では、実は従業員同士の摩擦がより少なくなり、互いに助け合うチームワークを発揮するようになります。それが最終的には業績拡大にも繋がるでしょう。

影響② 優秀な人材の流出を防ぐ

人材不足が深刻化している中で、優秀な人材が他社に流出してしまうことは避けなければなりません。しかし、そのために福利厚生を充実させることは得策ではないでしょう。なぜなら、上には上がいるもので、それを超える条件を提示してくる企業は必ず存在します。

そのため、福利厚生などで従業員満足度を高めるのではなく、仕事に対するやりがいや意欲が湧くように職場環境を変えることで従業員エンゲージメントが上がり、人材流出を防ぐことができます。

影響③ 顧客満足度を向上できる

従業員エンゲージメントが高い企業では、人材は会社の指示だけに従って行動するのではなく、自発的に課題発見や解決に向けて積極的に行動することができます。その結果として、顧客満足度も向上し、企業の業績にも貢献するでしょう。

影響④ 採用コストの削減に貢献する

従業員エンゲージメントが高い職場では人材がイキイキと仕事をするので、外から見ると非常に魅力的に感じます。さらに、従業員エンゲージメントが高い職場では、家族や友人に自社の商品やサービスについて積極的に紹介したくなる傾向があり、それがきっかけでリファラル採用が促進すれば、採用コストを下げることができます。

いかがでしょうか?

上記のことから従業員エンゲージメントを向上させるためには、ストレスなく働ける環境が重要だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。そのためには職場環境に現代的な働きやすく、効率の上がるIT環境を整えることも一つの解と言えるでしょう。この機会にぜひ従業員エンゲージメントの向上に取り組んでみてください!

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