ハイブリッドワークとは、仕事にあたるうえで、働き方や場所、時間をある程度自由に決められるようにする、労務管理の一つの手法です。ハイブリッドワークを採用する企業は、大きな成果をあげることを最優先に、一定以上の時間をリモートで働けるようにして社員の生産性とモラルの向上につなげます。しかし、72%の企業はハイブリッドワークをどう展開するかの考えを持っていません。そこで改めて注目してほしいのが、クラウドです。
インターネットとクラウド技術の台頭により、多くの企業でハイブリッドワークの維持が可能になり、またそれが望ましいと言われるようになったのです。
ハイブリッドワーク人気の高まり
テレワークはもともと多くの企業にとって暫定的な措置でしたが、大きな成果があったことと会社運営コストの削減ができそうなことから、今後も継続されることが予想されます。
ピューリサーチ社の調査によると、オフィス以外から業務可能な仕事に従事している人々の60%が、COVID-19によるパンデミック以降も、すべてまたはほとんどの時間をリモートで仕事をしたいと回答しています。さらに、64%の人々が、完全にオフィスワークに戻ることを要求された場合、その企業を辞めることを検討したことがある、または検討するだろうと回答しています。
ハイブリッドワークモデルは、少なくとも一部の時間をオフィスワークにすることで、孤立感やモチベーションの低下など、テレワーカーが直面する大きな問題を解決します。もちろんテレワークも組み合わせて導入できるので、柔軟性に優れた働き方と言えます。
さらにハイブリッドワークは、スキルのある人材が不足する中で、企業が優秀な人材を募集・採用するのに役立ちます。時間と場所において柔軟な働き方ができる故、必要な人材をグローバルに探し、多様な選択肢から見つけることができます。自国にいる人材に限定される必要はないのです。
さまざまなハイブリッドワークモデル
ハイブリッドワークは企業によって実態は異なります。業種、業務内容、社員数などによりますが、通常、企業は以下の4つのハイブリッドワークモデルのいずれかを導入しています。
1. フレキシブルモデル
フレキシブルモデルを採用している企業では、社員がその日の業務状況に応じて、自ら働く場所と時間を選択することができます。
このモデルでは、社員は自分が関わるワークフローを自分で決め、生産性と仕事の満足度を高めることができます。また、経営陣にとっても、オフィススペースや通勤に関わる諸経費を削減することができるメリットがあります。
一方、このモデルでは、社員同士が直接会ってミーティングやコラボレーションを行う機会を調整することが難しい場合があります。また、企業はある特定の日に何人の社員がオフィスにいるのかを予測することができず、生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。
2. 固定モデル
固定ハイブリッドワークモデルはフレキシブルモデルとは正反対です。このモデルでは、社員がいつ、どこで働くかを企業側が決定します。
固定モデルでは、社員がどこで仕事をするか事前に把握できるので、対面でのコラボレーションの機会が増えます。また、どれだけのオフィススペースとインフラが必要になるかを予測することも容易です。
しかしこのモデルの欠点は、個人の選択の幅を狭めてしまうことです。気が散るような環境で仕事をすることになれば、生産性の低下につながるかもしれません。また、企業がオフィススペースを削減する機会もほとんどなくなります。
3. オフィスファーストモデル
オフィスファーストのハイブリッドワークモデルでは、社員は主にオンサイト/オフィスで仕事をしますが、週に数日テレワークを選択するオプションがあります。
このモデルは、働き方を柔軟に選択できる一方で、企業文化を築き、維持するための十分な機会も提供するものです。
このモデルの欠点は、ある特定の日に誰が、また何人がオフィスにいるのかを予測することが難しいため、チームワークによる業務に支障をきたす可能性があることです。
4. リモートファーストモデル
リモートファーストの企業は社員がほとんどの時間リモートで仕事をし、時折イベントや対面でのコラボレーションのためにオフィスを訪れるだけです。
テレワークを好む人はこのモデルで生産性と仕事の満足度を高めることができます。しかし、その反面、会 社 の 文 化 に触れる機会がなく 、孤 立 し て い る と 感 じ 、モ ラ ル や 生 産 性 が 低 下 す る 社員がいる可 能 性 も あ り ま す。ピューリサーチ社によると、60%の人がテレワークゆえに同僚とのつながりは希薄だと感じています。
このモデルは技術系の新興企業や会計事務所など、常に数人しかオフィスにいる必要がないような企業に最適なものです。また、オフィススペースを完全になくすことで、多くの固定費をなくすことができる企業もあります。
クラウドで実現するハイブリッドワーク
クラウドへの移行は、世界中でハイブリッドワークを可能にし、普及を促進しています。ここでは、クラウドがハイブリッドワークの生産性を最大化し、ビジネススピードを加速させる方法をいくつか紹介します。
タイムリーなコミュニケーションの促進
クラウドベースのコミュニケーションは、リモートでのコミュニケーションの障壁を取り除き、オフィスでも自宅の食卓にいても、社員が常につながっていられるようにします。
リモートワーカーの多くは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議サービスを利用して会議に参加したり、同僚と共同作業を行ったりしています。SlackやGoogle Chatのようなクラウドベースのインスタントメッセージングでは、リアルタイムかつ非同期で会話やファイルの共有ができ、プロジェクトの進捗を確認することができます。
これらのツールは、カスタマーサポートの質向上にも貢献します。顧客がライブチャットのような便利なツールを使用して、顧客サービス担当者と連絡を取ることができれば、その企業に対して好感を持つ可能性が高くなります。
リアルタイムのコラボレーションを可能にする
クラウドでは、インターネットを介してコラボレーションを十分に実行でき、ハイブリッド環境でも社員は一緒に仕事ができます。クラウドコラボレーションツールが普及する以前は、テレワークにあたる社員は孤立していたと言っていい状態でした。現在では、全員が同じドキュメントを同時に作成・編集できるようになり、高い生産性と効率を実感できます。
データへのアクセス性の向上
企業のデータをクラウドにアップロードすると、インターネットに接続されたデバイスから、どこにいてもデータにアクセスできるようになります。つまり、社員が最も生産性を発揮できる場所で仕事ができるよう、より柔軟に対応できるようになります。
デジタルセキュリティの向上
遠隔地にいる社員は自宅Wi-Fiや公衆ネットワーク経由で仕事をしますが、これらのネットワークは企業内ネットワークやVPNに比べて著しく安全性が劣ります。
最高クラスのクラウドサービスプロバイダーは、ゼロトラストアーキテクチャ、多要素認証、高度な暗号化など先進のサイバーセキュリティ対策を提供します。そしてデータを保護し、社員同士が安心して交流し業務を行うことができます。
ビジネスの迅速な拡張を可能にする
クラウドソリューションは拡張性に優れているため、ビジネスニーズが変化しても対応しやすいことが特徴です。そのため、テレワークやハイブリッドワークの割合を増やすことになった場合でも、サービスプロバイダーとすぐに打ち合わせ、数時間以内にプランをアップグレードするなど対応策を講じることができます。
コンテンツクラウドの価値
Boxは、単一のプラットフォームですべてのコンテンツを、作成から共同編集、共有、電子署名、分類、保管、破棄まで、そのライフサイクル全体を安全に管理することができます。社内外の誰とでもコラボレーションを簡単に行うことができます。コンテンツに特化したセキュリティとコンプライアンスがBoxのDNAに組み込まれているため、コンテンツが保護されているという安心感とともに利用できます。さらに、1,500以上の他のアプリケーションとの連携、およびBox Signなどのさまざまなネイティブ機能をプラットフォームとして提供し、社員それぞれが思う通りに仕事ができるようにする環境を整えます。
コンテンツクラウドはセキュアで生産性高い働き方を支えるコアであり、ハイブリッドワークを容易に実現します。コンテンツクラウド「Box」の全体像を、またそれがどのようにDXをリードするのか、詳細をこちらからご覧ください。
※このブログはBox, Inc公式ブログ(https://blog.box.com/)2022年9月23日付投稿の翻訳です。 原文リンク:https://blog.box.com/how-the-cloud-makes-hybrid-work-possible
- トピックス:
- Box製品情報