前編に続いて、10月4日、BoxWorks 2019 Day2のレポート後編をお伝えします。Boxの最高製品責任者であるジートゥ・パテルに続き壇上に上がったチーフカスタマーオフィサーを務めるジョン・ハースティンと様々なゲストスピーカーがビジネス変革の実例を明かすキーノート後半では、「Future of Work」をテーマにパネルディスカッションを実施。デジタルテクノロジーが働き方の未来にどのように影響を与えているのか? MGMスタジオや国務省のCIO、NBAのチーフテクノロジーオフィサーが語りました。
政府機関、スポーツ、エンターテイメントの変革を支えるBox
Day2キーノートの最後を飾ったのは、豪華スピーカーが登壇するパネルディスカッション。モデレーターはBox Corporate CIOのアニシャ・ヴァスワニ。パネリストは厳格なデータ管理が求められる業界のキーパーソンとして、MGMスタジオ(MGM)のダグ・ロウソ氏、NBAのクリシュナ・バガヴァスラ氏、そしてアメリカ国務省(Department of State)で軍事産業のライセンス管理に携わるカレン・レージ氏。
最初の議題は「組織のデジタル化」について。ここでレージ氏が強調します。「5年前まではフットボール場ぐらいのスペースに敷き詰められた紙文書を使い、自動ファイリングシステムを構築していました。今となっては笑い話です。デジタル化によって、あの忌々しい紙文書から解放されたのが最大の成果です」この発言に会場も大いに盛り上がりました。
バガヴァスラ氏は「NBAではSNSを使った情報発信を強化しました。その結果、全世界規模で15億超の『いいね!』つまりファンを獲得、可視化しました」と語りました。
MGMのロウソ氏は、「メディア企業を支える人材にはフリーランスや小規模のプロダクション関係者が多いのです。構想策定段階から作品が消費者に披露されるまで、プロデューサーやタレントなど、数多くの人が関わります。その全ての人々が組織の垣根を越えて働きやすい環境をつくることが必要です。また、エンターテイメント業界では知的所有権を非常に厳しく管理するため、環境が非常にセキュアであることが必須条件です。近年は、配信方法も多様化し、ケーブルテレビや動画ストリーミングなど、幅広い形式に対応せねばならず、かつ取り扱うデータ量も増えています。Boxを基盤にエコシステムを形成し、プロセスの自動化をすれば、はるかに効率的に業務を行えます。こうした膨大なデータを、いつ、だれが、どこに配信したか管理できるのはとても大きなメリットです。これが、私が思い描く、理想的な作品のサプライチェーンです」。
組織変革の壁、その先の未来へどう立ち向かうのか?
企業や組織の変革の大きな壁、その代表が企業文化、組織文化です。デジタル化の推進にあたり、企業文化に対して、どのようにアプローチすべきか、国務省のレージ氏は次のように語りました。「テクノロジーの利便性だけでは変革は成功しません。自分で『やるべきである』としっかり理解してもらうこと。それは非常に大変な仕事で時間もかかります。それでも、働き方を変え、業務の簡便化、効率化するために進めなければなりません」
最後に今後の方向性について、MGMのロウソ氏は「デバイスやサービスも多様化し、今まで以上に美しいユーザエクスペリエンスを提供することが求められています」と発言。レージ氏は「【Box Shield】を導入することで業務のあり方は大きく変わります。まさに革新です。米国政府機関として初の導入になりますが、この製品が持つ可能性にワクワクしています」と熱く語りました。
BoxWorks 2019を振り返って〜Boxのその先に「働き方の未来」が見えた
デジタルの未来を的確に捉え、内から溢れ出すエネルギーに乗せて明快に語ったCEO、共同創業者兼会長アーロン・レヴィのオープニングに始まり、直感的で明日から仕事ですぐに使いたいと思わせる新サービスを次々と発表したDay1。官民問わず多種多様な業種のCIOが集結し、Boxの利用による働き方改革の実例や様々な業務のデジタル化への対応やキーポイントについてユーザー自らが語り尽くしたDay2。今年も会場のいたるところで描かれた働き方の未来を体感する2日間があっという間に幕を下ろしました。
堅牢なセキュリティで安全性を確保しつつ、個々の設定や操作は極めてシンプルなBoxの基本アーキテクチャ。クラウド・コンテンツ・マネジメントとして必要なラインナップとその機能向上により、年を追うごとに「世界中のあらゆる企業の中で存在感を増している」「業種、業態を問わず求められている」ことを肌で感じた2日間でした。主要アナリスト全社にリーダーとして位置づけられたBoxが企業競争力向上や真の働き方改革のためにBoxWorks 2019で唱えた『Simplify how you work』。その具体的なカタチがここにありました。
- トピックス:
- イベント