さよならPPAP(パスワード付きZipファイル送信)!
あしたのチーム様Box活用事例紹介
さよならPPAP(パスワード付きZipファイル送信)!
あしたのチーム様Box活用事例紹介
Boxの自社導入に至った経緯、またBoxを導入したことでどのような効果があったのか、脱PPAPの取り組みを交えて、人事評価業務のクラウド化ユーザー企業である、あしたのチーム様の事例をご紹介します。
※本事例は、2021年10月26日Box社開催セミナー「クラウドアレルギー完治!今持ち帰りたいデジタル実践術」でのお客様事例を元に記事にしています。
株式会社あしたのチーム
コーポレート企画部 IT推進総務グループ マネージャー
芝田 志保(しばた しほ)氏
オンプレミスサーバーからフルクラウドへ 移行を目指した背景
Boxを導入する前である2017年末頃は、オンプレミスサーバー5台で合計約2.5TBのデータを所有していました。その後2018年4月にBoxを導入し、2018年8月から本格的に利用しています。2021年10月現時点では、社内外のファイル共有にBoxを使用しており、社内利用ユーザーは157名・容量は38.8TB、共有している社外のユーザーは約3800名・容量は6.5TBと利用を拡大しています。
導入時の課題として、オンプレミスファイルサーバーの容量不足・保守に関する点がありました。容量不足の点については、社内から「ファイルが保存できない」という問い合わせが定期的に発生し、その都度不要なファイルを消して空き容量を確保するという対応をおこなっていました。また、オンプレミスファイルサーバーは、インフラ保守を自社でおこなわなければいけません。例えば、オフィスビルが計画停電する際は休日出勤して現地での対応が必要でした。更に、サーバーの保守期限が迫っていたという背景もありました。
そこで、これらの課題を解決し、かつ、社内のメンバー全員がリモートでどこからでも仕事ができるようにするべく、社内のオンプレミスサーバーをゼロにし「フルクラウド」の状態を目指すことにしたのです。
Box導入の決め手
導入の決め手は3つあります。
- 容量無制限であること
- セキュリティが担保できること
Boxのログインは、シングルサインオンを使っています。OneLoginを使っていて、2段階認証を実現しているので、Boxにメールアドレスでログインする方法に比べるとセキュリティが高く安全にアクセスできることもポイントでした。
また、権限を細かく設定が可能な点も評価しています。例えば、経営会議に参加するメンバーだけ参照できる権限設定や、参照はできるけど更新はできないという権限設定ができます。 - 外部ファイル共有が可能であること
実は、この点は当初は想定していませんでした。最初は、外部と共有することに抵抗がありましたが、今はBoxで外部共有できることが非常に便利で、大きなメリットを感じています。お客様とのやりとりでメール添付がなくなり、Box上にある1つのファイルが最新であるという状況を作ることができました。
Box導入時に検討したポイント
データ移行方式
創業以来保管されてきたすべてのファイルが必要なのか見直したかったため、ファイルサーバーに存在していたファイルをそのまま移行するのではなく、Boxに新環境を作って、必要なものだけ移す方式をとりました。
具体的には、以下の手順で進めました。
① 情報システム担当にて、ファイルサーバーの旧ファイルをBoxにまるごとコピーし、「更新不可・参照のみ可能」に設定
② 全社員にBoxの新環境を周知し、各社員がBox内で必要なファイルを新環境へコピーして移行
③ 一定期間経過後、①のデータを「管理者のみ参照可能」に設定変更
「管理者のみ参照可能」にしたデータは今でもBoxに保管しています。Boxが容量無制限だからこそ、このような移行方法が実現できました。
フォルダ構成
フォルダ構成をオープン運用にするのかクローズ運用にするのか、という点ですが、弊社ではクローズ構成を採用しています。
- オープン運用:ルートフォルダ作成・ファイル閲覧設定・外部ユーザーの招待といった操作権限を現場メンバーに解放して現場が自由に運用する方法
- クローズ運用:上記操作を基本的に管理者が握る運用方法
理由は、ルートフォルダの構成は管理者側で握りたかったのと、権限管理も管理者側ですべて行いたかったためです。社風や用途によって、オープン運用にするのかクローズ運用にするのか決めるのがよいと思いますが、オープン運用からクローズ運用に後から変更するのは難しいので、これから導入する場合はクローズ運用にすることをお勧めします。
ファイル共有ルール整備と効率化
導入1年目は、オンプレミスサーバーの代わりとして使用していました。今までエクスプローラーで見ていたのがWebで見るように変更になった、という印象で、社員はアクセス方法が変わったと認識していました。
4年目の現在では、社内におけるファイル共有のルールが確立し、効率化できてきたため、社内だけでなく社外とのファイル共有でも活用しています。
特徴的な運用は2点あります。
- フォルダの権限は「グループ」で付与
バイネームでの権限付与は避けて、グループでフォルダの権限付与をおこなうようにしています。組織変更の際はフォルダの権限を変えるのではなく、グループのメンバーの入れ替えをおこなっているため、権限変更作業がスムーズになり効率化が図れました。 - コミュニケーションツールでファイルの共有をする際は共有リンクを使う
社内のコミュニケーションツール(Slack)でファイルを共有する場合は、ファイルを添付するのではなく、Boxの共有リンクを使用するようにしています。そうすることにより、最新のファイルは常にBoxにあるという状態を担保できるようになっています。
Boxを活用した社外共有〜さよならPPAP〜
「PPAP」とは、パスワード付きZipファイルをパスワード付きで送ることです。
かつては、この方法はメールを送る際のセキュリティ対策のスタンダードでしたが、Emotet(エモテット)などのウイルスがすり抜けてしまうことから、あらゆる企業でPPAPが禁止され始めています。
弊社では、商談前から、ファイルを頂く際にメールやチャットなどあらゆるツールで受領していました。どのツールから届くのか決まっていないので、ファイルを見つけるのが難しいという課題もありました。それに加えて、メールの際はパスワード付きZipで受領していました。ウイルスが心配という課題もありましたが、お客様から頂いているので断り辛いという現状だったのです。
そこで、解決方法としてBoxを利用することにしました。
ワンタイムでファイルをお預かりする場合:ファイルリクエストを利用
まず、インサイドセールス担当者がお客様と会話してファイルリクエストのURLをお客様にお伝えします。お客様はそのURLにアクセスして、フォルダへファイルをドラッグ&ドロップするだけでBoxに直接格納できます。
メールだと一旦ローカルのデスクトップにダウンロードし、保存し、営業担当者との共有フォルダに保存していたのが、ダイレクトに保存してもらえるようになったことがメリットとしてあげられます。
また、お客様がファイルをアップロードする対象のBoxフォルダそのものは、お客様には見えないので、何が入っているフォルダなのかを知られることなくアップロードしてもらえるという点もメリットです。
ワンタイムでファイルを送りたい場合:共有リンクを利用
Boxの共有リンクにパスワードを付けて送付する方法をとっています。
フォルダの共有リンクの設定メニューから、パスワードを設定します。ダウンロード許可する設定も同じ場所で設定します。
共有リンクを利用することで、わざわざファイル転送用ツールなどを使うことなく、自社のBox環境を使ってお渡しできるという点がメリットです。また、無料のサービスを使うとビジネスとは関係ない広告などが表示されますが、そういった点も解決できたのも良かったです。
さらに、ファイルリクエストや共有リンクは、お客様がBoxのアカウントを持っていなくても利用できます。Boxを使って送受信できるため、手軽で、セキュリティ的にも安心です。
永続的なファイル送受信が発生する場合:コラボレーター招待
一つのファイルをお互いに編集したりする場合には、コラボレーター招待機能を利用します。
まず、お客様専用のフォルダを作成し、そこにお客様のメールアドレスを入力して招待します。お客様に無料のBoxアカウントを作成いただくことで、一つのファイルを編集できるようになり、常に最新のファイルをBoxで管理できます。メール添付だと、どれが最新のファイルなのかわかりつらいですが、それが解消できました。
Boxフォルダには、お客様をメールアドレスで招待するため、万が一共有リンクが漏れたとしても、招待されていない人はアクセスが出来ないため、セキュリティ的にも安心と考えています。
自動化ツール連携による効率化事例
Boxを使ってファイルをやりとりするようになりましたが、お客様がアップロードしてくれたことにすぐに気付けないという課題が発生するようになりました。
そこで、BoxにアップロードされたらSlackに通知を送るという解決策を提案しました。
具体的には、Microsoft 365のPower Automateを利用し、トリガーとしてこのフォルダにファイルが作成・アップロードされたら、Slackの特定のチャネルに通知すると設定します。そうすると、ファイルがアップロードされた瞬間にSlackに通知されるので、すぐに気付けるようになります。これによって確認漏れや対応の遅れを防ぐことができました。
インサイドセールスチームでは、初回コンタクトから商談までのリードタイム短縮を実現できたという効果がありました。
現状の課題と今後の展望
今は、150名規模のため情報システムで全体管理しています。しかし、会社の規模が拡大し約300名規模になったタイミングで、管理を現場に任せていきたいと考えています。
さらに、4年間使ってきてデータが増えてきたため、データの整理を実施し、Box新機能(Relay、メタデータ)も活用し、もっと業務を効率化していきたいです。
以上
株式会社あしたのチーム
本社:東京都中央区銀座6-10-1
URL:https://www.ashita-team.com/
2008年9月設立。導入企業4,000社以上。
人事評価制度に特化した中小・ベンチャー企業向けサービスを展開。
組織変革に欠かせない「教育・評価・タレントマネジメント」で人材育成・企業成長による最高のチームづくりを支援。
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