BIPROGY情報システムサービス部の生成AI活用構想 〜Box AI for Hubsと各生成AIサービスの今後の展望〜【BIPROGY株式会社様 発表事例】
BIPROGY情報システムサービス部の生成AI活用構想 〜Box AI for Hubsと各生成AIサービスの今後の展望〜【BIPROGY株式会社様 発表事例】
1958年に設立した、BIPROGY株式会社(日本ユニシス株式会社から社名変更)。従業員数 8,218名(2024年3月31日現在 連結)、各種ビジネスソリューションを提供するITサービス企業として事業を展開しています。BIPROGYグループはBoxを有効活用し、社内ではBox AIや生成AI活用が進んでいますが、さらにBox内のコンテンツをしっかり検索できるBox AI for Hubsの検証フェーズに入っています。そこで今回は、Boxの活用事例に合わせて、Box AI for Hubsの機能や将来的な利活用への期待などを紹介します。
BIPROGY株式会社情報システムサービス部 企画室 内田 東陽氏、東海 薫氏
試行開始から現在に至るBox利活用推進に向けた歩み
当社は、2019年8月からBIPROGYを含むグループ会社役職員1万ユーザーを対象にBoxの試行を開始しました。Boxポータル開設・利用ガイドなどの各種情報提供に加え、Boxの利用開始条件として、eラーニング「Box利用ルール編」の受講を必須としました。また希望者にはBoxハンズオン研修を実施しました。
その後、2020年度にBoxの本番利用を開始。 Box豆知識を社内SNSなどで配信したり、 Box活用コンテストを開催したり、 eラーニング「コラボレーション編」の全員受講を必須にしました。業務アプリケーションとBoxとの連携を目的にBox Platformの利用を開始したのも、このタイミングです。
2023年度には、セキュリティ強化を目的にBox Shieldの利用を開始。2024年度には、業務への生成AI活用を目的にBox AIの利用を開始するなど、いろいろな取り組みを実施した結果、試行を開始した当初は51%だったアクティブユーザー数の割合(28日間以内にBoxを利用したユーザーの割合)が、半年後には90%以上の社員(1万人弱)がBoxをフル活用する状況になりました。2024年9月時点では、96%に達しています。
また、以下表のコンテンツ量の推移からも、試行開始から現在までBIPROGYグループでBoxの利活用が進んでいることがわかります。
生成AI環境の提供状況とBox AI for Hubs活用の経緯
BIPROGYグループは役職員が生成AIを業務に幅広く活用できるよう、独自の社内Chat GPTサービスや社内で提供中のSaaS(Microsoft 365、Box、Zoom)、OSに追加されるAI機能を順次提供する方針としています。
また、さまざまな生成AI環境を社内に提供し、安心・安全に業務で生成AIを利用できる基盤を整備しています。
その中で、直近の取り組みといえば2024年9月に正式版がリリースされたBox AI for Hubsの活用です。経緯としては、社内規定コンテンツを管理しているチームから生成AIチームに向けて「Boxに保存している社内規定に対して生成AIで問い合わせできる?」「社内規定がBox検索でヒットしない」などの問い合わせがあったことです。
社内の生成AIチームでは「BoxのコンテンツだからBoxのAI機能(Box AI for Hubs)で実現する方が簡単かもしれない、Boxチームに相談してみよう」という流れになったのです。
参考までにBox AIとは何かを説明しますと、企業のコンテンツ戦略を変革し、非構造データのポテンシャルを最大限に引き出すための革新的なAIモデルです。当社では、アイディア出しや文面作成を支援するBox AI for Notesや、Boxでプレビュー表示したドキュメントに対して、内容の要約、要点の検索、概要の下書きを Box AIに依頼することが可能なBox AI for Documentsはすでに活用していました。
しかし、今回のような複数コンテンツでは対応できないことから、複数のドキュメントに対して質問し、回答やインサイトを得られるBox AI for Hubsの活用を検討したのです。
※Box Hubsは、コンテンツを厳選、整理、表示、共有できるようにする、使い勝手の良いコンテンツポータルであり、Box AI for Hubsは、Box Hubsに掲載されている複数のドキュメントに対してBox AIで質問することが可能です。
Box AI for Hubsの検証に向けた期待と将来展望
当社のBox AI for Hubs活用の方向性としては、まずはBox AIの利点を理解して社内に推進することです。社員が気づかないうちに生成AIを使っている状況を作りたいと考えています。そのためにも現場を巻き込んで検証と実績を作り、横展開と利用推進を目指しています。
現在の課題に対して、期待通りに運用できるかどうかをこれから検証していきます。
将来展望として、情報システムサービス部は、現場のサポートと社内における生成AIの利活用を推進していきます。生成AIを活用するには、参照するデータの質が極めて重要です。BIPROGYグループでは社内のコンテンツをBoxに集約しているため、Box AI for Hubsを有効活用することで新たな価値が創出されることを期待しています。
現在、「機能確認」「検証」フェーズに進んでおり、2025年1月からBox AI for Hubsの「社内公開」、同年4月から「利活用推進・拡大」を目指します。
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本事例の参照資料
- Box Support記事:Box AI for Hubs
- Box Support記事:Box AI
- Box Support記事:Box Hubs
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