ITリテラシは関係なし!短期間でBox移行・
定着を実現するコスパ最強の研修計画
【阪神高速技術株式会社様 発表事例】
ITリテラシは関係なし!短期間でBox移行・定着を実現するコスパ最強の研修計画【阪神高速技術株式会社様 発表事例】
当社は阪神高速道路株式会社の100%子会社として、2005年10月5日に設立した会社です。事業は主に、阪神高速道路の点検・診断・補修まで一括管理をしており、土木構造物、電気・通信設備、機械設備、建築設備、情報設備などを管理するさまざまな職種の社員が約370名(2023年10月現在)所属しています。今回は社内にBoxを導入後、どのように展開し定着を実現したのか、当社の研修計画などを中心にご紹介します。
阪神高速技術株式会社 経営企画部 デジタル技術推進課 稲井 秀男 氏
中小企業の情シス担当者として直面したBox導入時の一番の悩みとは
これまで、経営企画部デジタル技術推進課にて業務システムの設計・構築・運用などを担っていました。新たな業務としてBox導入を行うことになり、全国の中小企業の情シス担当者がBox導入で悩むことは一緒だなと感じることも多かったので、自身の経験談からベスト5にまとめてみました。
第5位:作業が多い・人手が足りない
第4位:Box移行を成功させなければならないプレッシャーがある
第3位:短期間で習得しなければならないスキルが多い
第2位:社内調整(フォルダ構成、コンテンツ調査など)がうまくいかない
そして第1位は、Boxを使ってもらえるか不安なことです。そこで、さまざまな職種やITリテラシの方々が、スムーズにBoxを使えるようにコストパフォーマンスを意識した研修、説明会が必須であると考えました。今回は当社のケースをもとに、Boxの設計が進む中、どのように考え、実践したかを、Box導入を検討している中小企業の情シス担当者の方に向けて伝えたいと思います。
まず、Boxの導入は2023年4月にキックオフを行い、8月に個人フォルダをオープン。10月にBox移行を実施し、2024年6月の大容量ファイル送受信システム停止に向けて、さまざまな工程を実施しました。特に、ユーザー教育をどのように考え、実践したかというポイントに絞って話すと、「Boxスキルアップロードマップ」を策定し、フェーズごとに対策を行いました。
Boxレター配信や、コスパを意識した研修・説明会を実施
2023年8月にBox個人フォルダを提供開始するために、必要な情報を共有するための「Boxレター」の配信を始めました。オンプレファイルサーバーの個人フォルダからBoxの個人フォルダへの移行をユーザーに実施してもらい、簡単な使い方などを理解してもらうことが目的です。
「Boxとは」「基本機能」「ログイン・ファイル編集」の3つのフェーズに分け、第1回から4回まで配信しました。
次は、Box移行期。このタイミングで、阪神高速グループ説明会、利用者説明会、共同所有者研修、操作研修(ハンズオン)と、それぞれの研修計画を実施しました。
- グループBox説明会
阪神高速グループ全体の説明会として導入支援パートナーにて実施。Boxの基本的な機能や用語、環境、グループ全体でBox移行することを理解してもらう目的で実施 - 利用者説明会
阪神高速技術のユーザー向けに、目的や注意点、フォルダ構成、共有リンクなどの使い方、阪神高速技術独自の運用ルール、禁止事項など、ユーザーに最低限知っておいてほしいことを説明するため実施 - 共同所有者説明会
阪神高速技術の共同所有者向けに、コラボ追加する際の確認ポイント、ルール、操作方法を理解してもらうことを目的に実施 - 操作研修(ハンズオン研修)
よく使う機能、社内・社外フォルダに応じた共有リンクの使い方などを実際に操作してもらい、理論だけでなく実践を通じて知識や操作スキルを身につけることを目的として実施
またBox移行期の見直し・フォローでは、「コラボレータ管理シート」「フォルダマッピング管理シート」「よくある問い合わせ対応マニュアル」などを作成しました。
最後の大容量ファイル送受信システム停止のフェーズでは、全体の底上げとしてBoxスキルチェックシートや対応マニュアルの作成、共有リンク・ファイルリクエスト研修などを行いました。
- Boxスキルチェック
2024年度に目標とするBoxスキルを定義し、レベル・カテゴリごとにスキルを習得できるように資料を整理。Boxスキルチェックシートとして配布し、セルフチェックできるように配慮しました。 - 共有リンク・ファイルリクエスト研修
大容量ファイル送受信システムを停止するため、共有リンクとファイルリクエストを使いこなす必要がありました。また、共有リンクとファイルリクエストに特化した操作研修を実施し、全体のBoxスキルの底上げを目的として実施
Box移行・定着による効果と今後の課題
個人フォルダリリース、Box移行、大容量ファイル送受信システム停止というイベントに対し、最小限の労力で最大限の効果が出ることを意識して計画し、資料作成、説明会実施することでスムーズな移行・定着を実現しました。アクティブ率(2024/4~6の3ヶ月データ集計)も97%達成しています(残りのユーザーも出向者のためほぼ100%)。また、サーバー機器などの維持管理コスト削減、ファイルサーバーの保守解約、更新検討不要などの効果や、大容量ファイル送受信システムコスト削減なども実現しました。
社内では、最初は新しいことを覚えることへの抵抗感がありましたが、徐々にBoxへの理解が深まり、便利さに気付いてくれることを実感しました。部署の代表者や、利用者の協力のもと、当初の予定通り、Box移行を実現することができました。「Boxって何?」というレベルから、「Box便利」「Box最高!」というレベルまで引き上げることができたと思います。
これからの課題としては、Box Relay・Box Sign、Box AI・Box Hubs、脱PPAPなどを考えており、社内規定、ガイドラインなどの改訂後に導入を検討しています。また、社内からたくさんの意見や感想をいただき、ここに至るまでは困難の連続でしたが、社員からの声を励みに新機能導入に取り組みたいと思います。
発表の動画、発表資料全編はこちら
お客様事例のダウンロードはこちら