お客様事例|JFEテクノリサーチ株式会社
脱FAXで業務効率化を達成した
JFEテクノリサーチ株式会社知的財産事業部でのユースケース紹介
Customer Success Teamより、業界・業種別のBoxユースケースをお届けします。
今回は、JFEスチールグループ会社のJFEテクノリサーチ株式会社知的財産事業部で弁理士として働く吉田さんにインタビューさせて頂きました。
Box導入前はFAXを使って海外特許事務所とのやりとりを行なっていた中で、Boxを導入後、何千万円/年もの経費を削減できたと、その効果を語ってくださった吉田さん。
大きな業務効率化を達成することができた背景と、その具体的なノウハウをご紹介します。
JFEテクノリサーチ株式会社 知的財産事業部 特許出願部 技術グループ 主査 副課長 弁理士 吉田 真衣 氏
業務内容について
Q: どのような業務を担当されていますか?
A: 弊社JFEテクノリサーチは、JFEスチール株式会社が100%出資している子会社です。親会社のJFEスチールは各国に製品を輸出しておりますので、各国での販売を確保するために特許を取らなくてはいけません。そこでその特許申請の業務をおこなっているのが私が所属する特許出願部です。
特許の元になる発明が、特許になるまでに多くの手順と様々な書類のやりとりがあります。
<特許業務の流れ>
外国で特許を取得するためには各国の海外特許事務所に手続きを代行してもらう必要があります。日々連絡を取り合う海外の特許事務所数は86事務所、海外特許庁数は約70ヶ国です。常時取り扱う案件数は、約1万2000件にものぼります。
海外特許事務所から届く様々な言語の様々な形態の書類を仕分け、優先度をつけて正確に処理をしていくことが、業務の効率化を達成する上で非常に重要になってきます。
Boxについて
Q: Box導入前は、どんな課題があったのでしょうか?
A: 以前は、海外特許事務所から毎日、FAXで400枚、郵便で1600枚の書類が届いていました。受信したFAXは、スキャンし、ファイルに案件の名前をつけてファイルサーバーに保管し、履歴を見れるようにしていました。
仕分け作業は、事務担当者1人が半日かけて作業グループ毎に仕分けし、さらに技術担当者別に仕分けた後、技術担当者10名が毎日1時間かけてその書類を読んで書類の種別を把握していました。書類が担当者に届くまで数日かかることもありました。その影響により、最終的にクライアントへ納品するのに数ヶ月かかることもありました。
Q: Box導入後は、どのような効果がありましたか?
A: Box導入後は、海外特許事務所から直接Boxに書類を、作業グループ(特許のステータス区分)単位のフォルダにアップロードしてもらうことで、仕分け作業がなくなりました。FAXでのやりとりを廃止し、仕分け作業がなくなったことで、仕分けを待たず各担当者が作業を並行で取り組むことが可能になったため、今まで数ヶ月かかることがあった納品が、最短で翌日に納品可能になりました。
結果的に作業時間としては、月に294時間削減することができました。
費用面では、海外との通信費用を年間で数千万円削減することもできました。
Q: 今までのFAX中心に行われていた業務を、Boxを使って大きく変更されるにあたり、苦労した点や工夫した点があれば教えてください。
A: 今は、Boxを使って特許の出願から年金管理まであらゆる書類のやり取り・保管にBoxを使って効率化を図っています。Boxを使うにあたってのルールは、業務を遂行していた職場のチームメンバーで意見を出し合って決めました。
特許業務のなかでBoxをどのように使っているか紹介します。
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フォルダ構成
フォルダは、大きく海外事務所共有領域(下図の「[社外]知的財産事業部」フォルダ)と弊社の専用領域(下図の「[部門]知的財産事業部」フォルダ)に分けています。各領域で作業ごとにフォルダを作成しています。
<第1階層のフォルダ構成>
海外事務所共有領域の「受信フォルダ」に届いた書類は「作業フォルダ」に仕分けされコピーされます。その書類は、必要な決裁を経て「決裁フォルダ」へ移動し、最終的に「保管フォルダ」へ保管されます。
「作業フォルダ」の中は、さらに細分化された作業フォルダが入っています。作業フォルダ全てには番号がついており、01a, 01bと通し番号をつけて、作業順に並ぶように工夫しています。
<社内フォルダの第2階層フォルダ構成>
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フォルダ・ファイル名のルール
海外特許事務所から受信するフォルダは、作業グループ(特許のステータス区分)単位で作成し、先頭に数字(000,010,020...)と言った番号を設定しています。
<海外から受信するフォルダの第3階層フォルダ構成>
海外特許事務所へ送信するフォルダは、各事務所ごとにフォルダを作成し、その事務所のメンバーにしか閲覧できない権限を付与しています。
<海外へ送信するフォルダの第3階層フォルダ構成>
Q: 導入にはどのくらいの時間がかかりましたか?
フォルダ構成、送受信フォルダの作成、などの設計作業は2ヶ月かかりました。海外事務所とのやりとりや社内マニュアル作成は1ヶ月程です。
Q: Boxを使うにあたって苦労した点はありますか?
A: やりとりを行う海外特許事務所のために、英語でBoxの利用マニュアルを用意しました。アカウント作成など、Boxを使い始めるまでのサポートは大変でしたが、使い始めてからは、シンプルで直感的に操作できるため、トラブルなく使えています。海外からの問い合わせも多くはありません。
あとは、世界情勢によって海外のある国から一時的にBoxへアクセスできないといったこともありますが、その場合は、メールなどBox以外の手段でやりとりを行うようにしています。
Q: 今後の展望などはありますか?
A: Boxを導入してFAXで書類が届くことがなくなったので、あとは特許案件の管理サーバーをクラウド化すればどこからでも場所を問わず仕事ができるようになると思います。
Box RelayやRPAを積極的に活用して、オペレーションをより効率化していきたいと思っています。
(インタビュー記事は以上となります。)
■Box機能について補足情報
今回の取材を通して、お客様の成功の秘訣は、業務に即したフォルダ設計を2ヶ月かけてしっかり行われたことではないかと感じました。
フォルダ構成を考える際に気をつけるポイントをまとめたオンラインセミナーの動画を配信していますので、是非お役立てください。
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