文部科学省におけるBoxの利活用について
【文部科学省様 発表事例】
文部科学省におけるBoxの利活用について
【文部科学省様 発表事例】
2022年1月から稼働する文部科学省の行政情報システムは、「どこでも仕事ができる」「IT活用による業務刷新」「BCP・セキュリティ強化」という基本方針の下、フルクラウドで構築しました。本システムにおいて、クラウドストレージとしてBoxを採用した経緯や利活用例をご紹介します。
文部科学省 大臣官房政策課サイバーセキュリティ・情報化推進室
行政情報システムのクラウドストレージとしてBoxを採用
以前の行政情報システムはオンプレミスで構築されており、以下のような課題がありました。
- 端末の性能や携帯性に問題がある
- ストレージ容量が常に逼迫しており頻繁な整理が必要
- 省外とのやり取りは基本的にメールのみで効率が悪く、添付ファイル型の攻撃に対する防御ができていない
- 障害復旧に時間がかかる
これらの課題を解決するために、システムをフルクラウド化し、ゼロトラストアーキテクチャーの考え方を取り入れることで、省内外を問わずセキュリティを担保した状態でアクセスできるようにしました。グループチャットやクラウドストレージも導入し、その他の業務支援機能と共に、SaaS連携したシステムを構築しました。
クラウドストレージとしてBoxを導入した理由は、以下の通りです。
- 保存容量が無制限である
- ファイルの共同編集や履歴の自動保持、証跡管理が可能である
- グループチャットやメール添付ファイル分離・メール誤送信対策機能などのソリューションとの親和性が高い
- 災害時のデータ消失の心配がない
- 情報資産の散逸を防ぐためデータの保存場所を限定するという設計思想ともマッチ
検討開始当初政府のシステムはすべてオンプレミスで構築されており、クラウドベースのシステムに移行するにあたっては、幹部や省内への理解を得る必要がありました。また政府機関として利用できるクラウドサービスは、ISMAP(Information system Security Management and Assessment Program:政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)認定および、それと同等のものに限定されるという、これまでとは異なる課題もありました。
情報の安全な受け渡しや効率化が可能に
文部科学省でのBox活用例をいくつか紹介します。
- 省内外におけるコラボレータ機能の活用
Boxを活用してファイルの共同編集が可能になり、今までメールのやり取りで実施していた作業を圧倒的に効率良く行えるようになりました。ファイルの同時編集者や閲覧履歴を確認できるので、職員が上司や照会先の作業状況を把握できると好評です。省内ユーザーだけでなく、省外ユーザーも文部科学省のBoxにゲスト参加することで、安全かつ容易に作業できるようになりました。
- 省内外との情報やり取り
共有リンク、ファイルリクエスト機能を利用することで、大容量ファイルの受け渡しを容易かつ安全に行えるようになりました。特に省外とのやり取りで効果を発揮しています。 - Slackと連携したBoxの活用例
Slackでチャンネルを作成すると、Boxに同じ名前が含まれるフォルダを自動作成する仕組みを構築しました。アクセス権の設定やSlackからBoxへのファイル保存、SlackでのBoxのリンクの共有、BoxへのSlackのメッセージの保存などが可能です。 - メール添付ファイルの安全な受け渡し
省外と添付ファイル付きメールをやり取りする際、添付ファイルがBoxに分離格納されます。これにより、ファイルへのアクセス履歴を管理可能になりました。送信時にシステムから確認メールが届くので誤送信リスクが低減し、送信先を間違っても直接ファイルが流出せず、漏洩リスクを低減できます。受信ファイルはBoxに格納する段階でウイルス感染等を自動的にチェックするので、セキュリティインシデントも抑止できます。
業務の効率化やスピードアップを実現
Boxを活用した業務改善例には以下のようなものがあります。
- ペーパーレス化による効率化
関係機関から申請などを受け付ける業務を、ペーパーレス化することで申請者側も職員側も作業負担を軽減できました。例えば大学から年間約3000件の書類を受領する業務などがあります。 - 定型業務の自動化
自動化を支援するBox Relay機能により、効率化した例もあります。例えば省外のコールセンターで委託する事業者が日報をコラボフォルダに格納すると、省内のフォルダに自動コピーするようにしました。これにより手作業をなくし、作業漏れもなくなりました。 - 共同編集機能による業務のスピードアップ
質問の取得から答弁作成、幹部確認、修正など一連の国会対応業務でも、効率化を実現しました。BoxとSlackで専用チャンネルを作成して共同編集することで、リアルタイムで作業状況を把握し、修正作業などにかかる時間を短縮しました。複数からの回答を取りまとめる作業を低減し、閲覧履歴により先回りしてリマインドできるようになったという声もあります。
一方で、システムやプロセスの変更による問い合わせがあり、ユーザーの意識改革やケースに応じた丁寧な案内も継続する必要があると考えています。システムが変わることで、職員の働き方や業務一つひとつが変わります。今後のシステム刷新や日々の運用でも、そのことを忘れずに取り組んでいきます。
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本事例の参考資料
- 過去セミナー:はじめようBox Relay! Boxでつなぐ仕事のバトン
- 過去セミナー:Slack x Boxでコンテンツ共有をよりスマートに!
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