お客様事例|コニカミノルタ株式会社
多彩な社内ユースケースを通じて培ったBoxの実践ノウハウをベースに
Boxをプラットフォームとして活用した複合機との連携ソリューションを提供
コニカミノルタでは現在、「働く環境に縛られない、スマートなワークスタイルを実現する」というコンセプトのもと、複合機とクラウドを連携させた新たなサービスの拡充に注力している。複合機に届いたFaxやスキャンした資料などのデータを自動的にクラウドに転送し、オフィス内外で活動するユーザーが共有できるというものだ。このサービスの実現を導いたのが、社内のさまざまなビジネス現場で先行して実践してきたBox活用である。
企業ユーザーに安定したサービスを提供するクラウドストレージとしてBoxを採用
コニカミノルタは、世界中のオフィスで活躍する複合機(MFP)や商業・産業用印刷の分野で存在感を高めているデジタル印刷システムなどの情報機器はもとより、液晶パネルの基幹部材であるTACフィルムを始めとした各種光学デバイス、光センシング技術を用いた計測機器などの幅広い商材を有する産業用材料・機器、デジタルX線画像診断システムを中心としたヘルスケア製品など、幅広い事業分野で高品位の製品とサービス・ソリューションを提供している。一方で全世界の45か国にグローバルネットワークを広げ、売上の70%を海外が占める。そうした中でコニカミノルタはさらなる成長の礎を築くべく、「働く環境に縛られない、スマートなワークスタイルを実現する」というコンセプトのもと、複合機とクラウドを連携させた新たなサービスの拡充に注力している。中堅・中小企業の業務を支援するさまざまな機能を備えたクラウドサービス群「INFO-Palette Cloud」の一環として、2013年11月より提供している「bizhub essentials」と呼ばれるサービスがそれだ。
コニカミノルタマーケティング本部ICT・サービス事業統括部サービス事業推進部クラウドグループのグループリーダーを務める正木賢治氏は、同サービスの特長を次のように説明する。
「複合機に届いたFaxデータやスキャンした画像データを、メール発信機能を利用して自動的にクラウドストレージにアップロードし、オフィス内や出張先、顧客先などさまざまな場所で活動しているすべての関係者で共有し、活用することができます」
ここでの中核となるクラウドストレージに採用されたのがBoxである。「企業ユーザーに向けて、安定した高信頼のサービスを提供する必要がありました」と正木氏は、その選定の理由を語る。また、クラウドストレージ上のドキュメントをダウンロードすることなく直接印刷できるBoxならではの機能を活かし、スマートデバイスにカスタマイズした複合機活用のモバイルアプリを提供するなど、ユーザーの利便性を高めているという。
マニュアル不要の簡便さからユーザーのすそ野を急速に拡大
先進的なBoxの“使いこなし”の背景にあるのが、bizhub essentials に先駆けて実践してきた社内活用だ。2012年後半に一部のIT有識者を中心にフリー版Boxの利用を開始したのを皮切りに、コニカミノルタは徐々にユーザーのすそ野を拡大。2013年2月にEnterprise版を導入して以降、Boxは社内外の約200名(2014年10月現在)のユーザーが利用する情報共有基盤に発展し、利用ストレージ容量は:約200GBに達しているという。こうした着実な浸透を通じて、「さまざまな利用シーンを検証してきました」という正木氏が、Boxの最大のメリットとして挙げるのが“簡便さ”である。
「試行導入の中期では社内の希望者にBoxのアカウントを配布したのですが、マニュアルなしでも使い始められることから、操作方法に関する問い合わせはほとんどありませんでした。また、社内に限らず外部のパートナー企業とのファイル共有にも活用できることに加え、メールと自動連携してデータを受けられるなど複合機との親和性も高く、Boxは当社のビジネスに非常にマッチしたツールとして受け入れられました」
個人レベルから部門単位まで多彩なビジネス現場での利用が活発化
実際、コニカミノルタにおけるBoxの利用形態は、多彩な広がりを見せている。
例えば個人レベルでは、ファイル容量に制限のないBoxのメリットを活かし、各自が持ち歩いているノートPCの自動バックアップに利用しているケースが見られる。また、Box内のファイルはローカルフォルダと同様に読み書きが可能なことから、開発エンジニアの間ではWebDavを経由したファイル共有にも便利に活用されている。外出が多い営業担当者の間では、複合機からスキャンしたセミナー資料などを、自動メール連携によってBoxに転送して持ち歩くといった利用も広がっている。
もちろん、部門単位でのBox利用も活発だ。例えば商品企画部では、カタログ制作会社や海外の販売会社との間で、製品カタログやマニュアル、動画などの大容量データを共有する手段としてBoxを利用している。同様に開発部門でも、海外のオフショア先と複合機の画像ログやSDK(ソフトウェア開発キット)などの巨大データの受け渡しに利用するほか、タスク割り当てやQ&A対応といったコラボレーションも支えている。
こうした多岐にわたる情報をやりとりする場面で大きく貢献しているのが、Boxに保存したファイルのバージョン管理機能である。「商品開発や開発に携わるメンバーは、社外や世界各地に分散するとともに、プロジェクトの途中で入れ替わることもあるため、ファイルのバージョン管理は非常に重要な要件となるのです。Boxを使えば常に最新版を共有できるため、現場に混乱をきたすことはなくなりました」と正木氏は語る。
Boxの全社導入をターゲットに2000ライセンスの利用を決定
ここまでの実績をベースに、コニカミノルタではBoxのさらなる利用拡大を進めていく考えだ。Boxジャパンの設立にともない日本語サポートや日本語ドキュメントの提供が始まったことを受け、コニカミノルタは2014年9月にBoxの全社導入をターゲットとして、トータル2000ライセンスの利用を決定したのである。
「社内のIT部門がリーダーシップをとり、さまざまな検証作業を経たあと、2014年内を目標にアカウントを公開する予定です。さらにその先では、社内の統合認証システムにBoxを連結することも計画しており、より便利でセキュアな情報共有基盤としてBoxを活用できる環境を整えていきます」と正木氏は語る。
もちろん、こうした新たなチャレンジを通じて獲得していくBox活用のアイデアとノウハウは、bizhub essentialsを中心としたINFO-Palette Cloudのほか、さまざまな商材にもフィードバックされていくことになる。「私たちの主力商材である複合機の活用の広がりの中で、Boxとの連携を深めていくことで、お客様により大きな安心・便利を提供していきたいと考えています」と正木氏は今後を見据えている。
コニカミノルタ株式会社
本社所在地:〒100-7015 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
URL:http://www.konicaminolta.jp/
ビジネス環境や社会が変化し続けていく中でコニカミノルタは、「新しい価値の創造」という経営理念のもと、常に新たな成長機会を創出しようとしている。例えば、情報機器事業では、主力製品であるMFP(複合機)のみにとどまらず、ワークスタイルの多様化に対応したクラウド利用サービス、ワークフローソリューションなどの提案にも注力している。ヘルスケア事業では、デジタル画像診断システムとITを組み合わせたサービスで、医療機関のアナログからデジタルへの転換を支援している。また、社会に大きな変革をもたらす可能性を持つ有機EL照明の実用化を急ぐ一方、人々に感動と癒しを与えるプラネタリウム事業などの育成にも取り組んでいる。
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