働き方改革が進められる中、企業における業務プロセスの改善が急務となっています。コロナ禍の影響に関する調査レポートでも、変わったものの1つとして業務のプロセスが挙がっているものは少なくありません。しかしながら、業務プロセスを改善する必要性は理解できても、具体的に何をすればいいのかと言われると迷ってしまう方もまだまだ多いのではないでしょうか。そこで、主に業務改善の推進担当者に向けて、業務プロセスを効率的に改善する方法について解説します。
業務プロセス改善とは?
業務プロセス改善とは、業務の効率化やコスト削減を達成するために、既存の業務手順や工程を見直し、再設計することです。業務プロセスは本来、企業の事業目標達成のためのもっとも効率的な手順や工程であるべきですが、時代の流れや新たな課題に応じて定期的に見直していく必要があるものです。具体的には、業務に関わる従業員の配置や定員、部門間の業務フロー、業務情報の扱い方などを改善していく作業になります。
業務プロセス改善の目的
業務プロセス改善の主な目的として、「労働時間の削減」「経費の削減」「IT化の促進」の3つが挙げられます。IT化を促進することで労働時間を短縮でき、結果的に人件費が削減できるというように関連する部分も多いため、同時に進めていくことが重要です。そして、これらの3つの目的達成の先には、「自社の利益改善」という大きな目標があります。近年では、これに「ガバナンス」が加わることも増えています。
業務プロセス改善において重要なのは、継続的な取り組みです。現在のコロナ禍に限らず事業や業務環境は常に変化しますし、改善した手法を実行に移した際に新たな問題点が発生したり、自部門の業務は効率化できても他部門ではかえって手間が増えたりする場合もあります。PDCAを回しながら、全社視点で最適なフレームワークを構築していくことが肝心です。
業務プロセス改善の進め方5ステップ
業務プロセスの改善は、次の5つのステップに分けて効率的に進めていきましょう。それぞれのステップで行う作業やポイントについて解説します。
1:現状を把握・分析する
業務プロセス改善は、既存のプロセスを把握・分析するところから始まります。現状把握ができていないと、課題や改善ポイントも見えてきません。実務を担当している作業者の話にも耳を傾けましょう。「BPM(業務プロセス管理)ツール」を使ってプロセスを図式化するのも効果的です。図式化によって現状プロセスの本質的な問題点が可視化され、メンバー間でも共有できます。さらに、各手順や工程を細かい部分にまで可視化することで、再設計や組み換えなどの改善案が生まれやすくなります。
2:優先順位を付ける
優先度の高い課題から着手していくことで、業務プロセス改善の成果を高められます。課題や改善ポイントが抽出できたら、改善に必要な工数対効果を計算して優先順位を決めていきます。有効性だけでなく、どのぐらいの期間で改善できるのかという現実性も優先順位決めに加味することがポイントです。そのためには目標を達成するための具体的な評価指標であるKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIは進捗管理や実施後の評価にも有用です。
3:改善案を作成する
有効性と現実性の観点から優先順位を決定したら、上位の課題から具体的な改善案を作成していきます。ポイントは、「労働時間の削減」「経費の削減」「IT化の促進」という目的を実現できる改善策を練ることです。仮に人員不足が要因だったとしても、単なる人員を補充するだけの対策では経費削減になりません。現状の人数でも対応できるようにIT化を軸に改善を検討するなどのアプローチが有用です。
4:改善案を実施する
小規模の改善、かつ効果の出やすい施策から展開していくのがコツです。改善の効果が表れるには一定の期間を要します。すぐに期待通りの効果を上げられるケースのほうが少ないため、最初から大きな成果を狙って大胆な改善から試みるのは得策とはいえません。小規模でも着実に改善実績を積み重ねていくことで、経営層の理解を得やすくなり、現場のモチベーションアップも図れます。
5:評価と次の改善に向けての検討
最後に、実施した施策が有効だったのかどうかを検証しましょう。KPIで目標達成率を評価し、未達に終わった場合は原因を分析し、改善策の内容を再検討します。PDCAサイクルの中で試行錯誤を繰り返し、業務プロセス改善の完成度を高めていきます。最初の施策の改善が達成できたら、次の施策に移って同様にPDCAサイクルを回していきましょう。
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業務プロセス改善の効率を上げる方法3つ
業務プロセス改善で成果を出すためには、今までにない視点で既存プロセスを根本から見直していく姿勢が大切です。具体的には、次の3つの視点からアプローチしていきましょう。
1:業務を可視化する
まず、重要なのは業務の可視化です。関係者全員で共通認識を持って取り組んでいくことで、業務プロセス改善の効率を上げられます。前述のツールなどを使い、現状業務の問題点や進捗状況、改善後の状況をリアルタイムで可視化していきましょう。メンバーから経営陣まで、他部署や他拠点も含め、縦軸と横軸の情報共有を徹底することでPDCAを回しやすくなり、改善にかかる工数も減らせます。
2:コンサルティングに依頼する
社内にノウハウがない場合は、社外のコンサルティング会社に業務プロセス改善のソリューションを提案してもらう手段もあります。企業によっては慣例化されたプロセスが多く、中にいる社員は改善の必要性を感じていないものの、第三者から見ると非常に効率が悪い場合があります。コンサルティングに依頼する場合は、自社業界に精通している会社を選ぶことが重要です。可能な範囲でこれまでの改善事例実績なども提示してもらうといいでしょう。また、業務プロセスは多岐にわたるため、他社の例を参考にすることも有効です。
3:クラウドストレージを活用する
業務プロセスを改善するためにはITの力は必要不可欠です。そのような中で効果の見込めるクラウドストレージの活用も視野に入れましょう。なぜなら、コンテンツやファイルといった情報を扱わない業務やプロセスはほとんど無いからです。情報、特に非構造化データの扱いは、長年大きな業務効率化のテーマです。おすすめは、法人向けの用途に特化し、使い勝手やセキュリティの高さに定評がある「Box」です。Boxを利用することで業務コンテンツが一元化され、業務効率やガバナンス、セキュリティの向上につながります。また、ストレージサービスに付随して、承認フローを自動化する機能「Box Relay」が利用できるため、例えば、営業部門や経理部門、広報のようなITの専門知識を持たない部門でも情シスに頼らず、その場でセルフサービスで定性的な承認業務の自動化を進められます。
一例として、コーディングなしで簡単に書類回覧や承認などのワークフローを作成できる機能があります。社内業務のオンライン化にあたっては、IT部門に負担が集中するあまり、通常業務が停滞してしまうケースも少なくありません。こういった高機能のクラウドストレージを使うことで、各部門における業務効率化のスピードや正確性も高まるでしょう。
まとめ
業務プロセス改善を成功させるためには、全社一丸となって取り組み、今までにない視点からアプローチしていく姿勢が重要です。特に業務情報、特にファイルやコンテンツといった非構造化データは取り残されていることも多く、手を付ければ業務プロセスを効率化でき、情報共有もスムーズに行えるようになります。そのためのクラウドストレージの活用は、その有効なソリューションになります。ビジネス利用において圧倒的な世界シェアを誇りクラウドストレージ機能を持つコンテンツクラウドのBoxを導入することで、自社の業務プロセスをスマートかつスピーディに改善してみてはいかがでしょうか。
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