「業務効率化」が単なる掛け声に終わっている職場は珍しくありません。そうした職場の多くは、施策を現場任せにし、ひどい場合は業務効率案を現場に考えさせて、実行させる、そうすれば業務効率は向上すると考えています。それで本当に業務効率は向上するのか?といえば、そのほとんどは「NO」でしょう。
業務効率化は本来、組織的に取り組むべき課題です。現場任せにしていても多くの場合、場当たり的な施策しか展開されませんし、現場の従業員は次第にプレッシャーを感じてしまいます。
そこで、本コラムでは業務効率を確実に向上させるために、業務効率化を実施する際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
業務効率化のチェックポイント
無駄な勤務時間を作っていないか?
業務効率化を実施するにあたり、まず行うべきアクションが「無駄な勤務時間の洗い出し」です。取り組みには労力とコストがかかるため、それと結果のバランスを考慮しつつ進めなければいけません。そのため、いきなりITを導入することはおすすめしません。それよりも、まずは足元にある無駄な勤務時間を洗い出し、排除していくことの方が効果的です。
まず、注目していただきたいのが「定例会議」です。習慣的に実施している定例会議の中には、よくよく考えれば不要な報告作業や決定事項の読み上げなど、無駄な時間が数多く潜んでいると言われています。本当に必要な報告事項を精査し、本当に必要な議論だけを交わすという会議に転換すれば、それだけで週の会議時間を数時間削減できるかもしれません。会議参加者の数だけ削減効果が高くなります。
無理な残業禁止を実施していないか?
近年特に業務効率化と残業削減をイコールで考え、「残業禁止令」を下すケースも少なくありません。ただし、逆効果になることも多いため注意が必要です。残業時間が多いのは、従業員がだらだらと仕事をしているからではなく、単純に仕事量が多いための可能性もあります。中には無駄な時間や作業もあるものの、だからといって単純に残業を禁止しても決して業務効率化にはつながりません。
残業禁止を実施したいのならば、まずはマネージャーが部下に対して「今日は必ず19時までに帰社すること!」と厳命、そして部下に目標をコミットさせることです。それだけで、従業員は帰社時間までの業務を逆算して考え、コミットした時間までに帰社するよう心がけるようになります。そうすれば残業時間はぐっと少なくなります。つまり業務効率が向上するはずです。無理な残業禁止を実施しても、変わらない業務量を前にどこかでその歪が生じるのです。
仕事量をきちんと把握しているか?
組織全体の仕事量、部署ごとの仕事量、チームごとの仕事量、個人の仕事量、みなさんの会社では仕事量を正確に把握しているでしょうか?業務プロセス等をマニュアルとして残し、ビジネス目標の達成のために「どのような業務が必要か?」を明確にしている企業は多いでしょう。しかし、「どれくらいの業務が必要か?」という仕事量を明確にしている企業は、かなり少ないものです。
仕事量を把握する理由は「適切なリソースの振り分け」です。無数にある業務の中にはスキルや従業員の不足によって仕事の効率が下がっているケースも多く、ちょっとした組織の仕組みを変えるだけで効率化が達成されることがあります。そのために、組織内の仕事量を正確に把握することが大切です。
業務効率化によって売上は下がっていないか?
企業が常に優先すべき要素が「売上」です。業務効率化の結果、作業時間が少なくなっても売上が下がってしまったら本末転倒です。経営者は業務効率化によって売上が下がっていないか?あるいは上がっているか?をタイムリーに監視して、必要に応じてコントロールしなければいけません。
もしも仕事量を減らさなければいけなくなった時は、売上との相関関係が低い業務を選んだり、人材が必要な割には売上につながらない業務を選んだりと、細かい視点で管理していきます。
正しい人員配置ができているか?
仕事は人員を再配置するだけで、業務効率が向上し、売上が上がることがあります。その理由は「適材適所」こそが効率化に繋がるからです。従業員は個々に異なるスキルや特技を持っています。それらを正確に把握し、適材適所を目指すだけでも業務効率化は実現するでしょう。
ただし、注意も必要です。あからさまな人員の再配置は一部の従業員のモチベーションを下げる結果になります。責任ある仕事から外れた従業員に対してスキルアップのための教育環境を整えるか、別のスキル等を見出して新しい責任を与えることが重要です。
最新ITの活用を検討しているか?
様々な施策を実行し、限界がきたら最新ITの力によって更なる業務効率化を目指していきましょう。その際のポイントは、コミュニケーションにかかる時間をいかに短縮し、手間を少なくするか?です。
業務効率化に効くITは実にさまざまです。
例えば、Boxなどの「クラウドストレージ」を利用することでインターネット上に用意されたストレージ領域の利用が可能となり、どこにいてもファイルを共有するための環境が整います。外出先からもアクセス可能なため、従業員のコミュニケーション時間は確実に短縮されるでしょう。共有や同時に共同編集できるNote機能を使うことで、事前の準備から事後の議事録作成まで、会議を効果的かつ効率的に進めることもできます。
また、Slackのようなコミュニケーションツールを導入し、事前にSlackを使ってオンラインでコミュニケーションを進めておけば、オフライン(対面)での打ち合わせを簡潔にすることもできます。
他にも様々なITがあるので、それらを組み合わせて独自の業務効率化を目指していきましょう。
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時にアウトソーシングは検討しているか?
「業務効率化はコスト削減のためにあるのに、お金を払って業務効率化を目指すのは意義に反するのでは?」と考える方も多いでしょうが、時にアウトソーシングを利用するのも効果的です。たとえば経理業務において、特別なスキルを持つ従業員がいないがために作業時間が倍増している企業の場合、プロフェッショナルに作業を委託することで、より少ない作業時間で業務を遂行し、かつ余裕ができたリソースを他の業務に充てることができます。
施策に明確な目的は持っているか?
施策ごとに「なぜ実施するのか?ゴールはどこなのか?」を明確にしておくことが、業務効率化を成功させるポイントです。目的が無ければ施策はぶれてしまいますし、成功しているのか失敗しているのかの判断がつきません。
現場の声をしっかり反映しているか?
最後に大切なポイントは、現場の声をしっかりと反映することです。業務効率化の影響を受けるのはほとんどが現場の従業員なので、彼らにとって仕事がしやすい環境を整えることが肝要です。現場の声を無視して業務効率化を推進しても、うまくいくわけがないのは明白です。
いかがでしょうか?
以上のポイントを押さえつつ、業務効率化に取り組んでみてください。そうすれば、施策を本来あるべき姿に戻し、企業力の向上や売上拡大につながるような業務効率化を成功させることができます。
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