ウィズコロナ・アフターコロナの時代ではビジネスに関わる全ての人が、遠隔からの情報アクセスやコミュニケーションによる業務促進を図れる環境を整えることが必須です。そこには円滑な業務遂行のためにウェブ会議やビジネスチャット、クラウドストレージなどさまざまなITツールを必要とします。
組織内の資料共有の場としてよく設置されているファイルサーバーですが、テレワークではVPN(Virtural Private Network/仮想プライベート回線)経由でのアクセスが必要になるため、VPN利用ユーザーの増加に伴い、管理やセキュリティリスクの増加、パフォーマンスの低下が頻発します。現在、このような状況に加えて、社外関係者とのファイルのやりとりなどを考慮すると、インターネットを利用したファイル共有を可能にするクラウドストレージの利用が現実的には不可欠となってきます。
ここでは、ニューノーマルにおいてクラウドストレージを採用するメリットについてご紹介します。デジタルトランスフォーメーション(DX)やテレワークの必須要素として、クラウドストレージを検討するきっかけとしていただければと思います。
最も利用率が高いクラウドサービス
日本においてもグローバル同様にクラウドサービスの利用率は増加傾向にあり、業種や規模を問わずインターネット経由のサービスが広く利用されています。2014年には38.7%だったクラウド利用率は2018年に58.7%にまで上昇しており、5年間で20ポイントも増加しています。このうち、どのようなサービスを活用しているのかを確認すると、最も利用されているサービスが「ファイル保管・データ共有」を目的としたクラウドストレージです。このクラウドストレージは、クラウドを活用しているユーザー全体の53.1%が利用しており、そのうちの83.2%がサービス導入に対し「効果があった」と回答しています。
出典:総務省「令和元年版 情報通信白書 第2部 2節 ICTサービスの利用動向」
クラウドストレージの普及が促進されている理由のひとつに、「導入のしやすさ」があると言われています。一般的にクラウドストレージは業務システムとは違い、日常の業務と切り離して導入できることが大きな利点の一つです。つまり、既存の業務プロセスに変更を与えることなく、ファイルサーバーからオンラインのファイル保管スペースへと移行できるわけです。
また、クラウドストレージ導入のタイミングでファイルサーバーを廃止する必要もありません。多くの企業では、段階的なクラウドストレージへの移行を行なっている実情があります。こうした「導入のしやすさ」に加えて、前述のとおり、社外との資料の共有を含めた利便性の向上や例としてメール添付が不要となるといったセキュリティ強化といった理由から、数あるクラウドサービスの中でクラウドストレージの人気が高いのは当然なのかも知れません。
単なるファイルサーバーのオンライン化ではない
クラウドストレージ導入に際し「従来のファイルサーバーをオンライン化するだけの話」と考える方が多いでしょう。しかしながら、昨今のクラウドストレージは高度化が進み、単純なファイル共有スペースとして存在するのではなく、企業が抱える経営課題等をクリアするためのトータルソリューションとして進化しています。
ここでは、Boxの一部の機能を参考にしてクラウドストレージの高度化を説明します。
セキュリティとコンプライアンス
情報へのアクセスができるようになると、現代ビジネスを推進する企業にとって欠かせないのが、情報セキュリティの確保とコンプライアンス遵守(情報ガバナンス)です。Boxではファイル共有スペースがこれらの要件を満たせるように、二要素認証への対応や多重のアクセス権管理といった多くの基本セキュリティ機能に加え、分類ベースのセキュリティ制御とインテリジェントな脅威検出機能の「Box Shield」、ドキュメントの保持・破棄ルールの管理は証拠開示を可能にする「Box Governance」、機密情報等を安全に保護しGDPRやCCPAなどの法令への遵守を可能にする「データプライバシー」など、多数のセキュリティとコンプライアンスに関する機能を同一プラットフォーム上で提供しています。
コラボレーションとワークフロー
遠隔ビジネスでは、オフィスで仕事をしている時と同等かそれ以上の生産性を維持できるか否かがポイントになります。Boxは、社内外のコラボレーション促進としてコンテンツを利用した共同作業を効率的に行うための版管理や重複編集を防ぐ機能、アノテーションを付けるといったコンテンツ管理の各機能、ドキュメントのレビュー・承認に関するワークフローを実現する「Box Relay」、デバイスを問わず会議メモの作成やプロジェクトプランの共同作成が行える「Box Notes」などの機能を提供しています。
このように、ただ単純にファイルサーバーのクラウド版というだけではなく、より現代ビジネスに対応できる機能が追加され、テレワークを支えるだけではなく、業務効率化やセキュリティ強化に役立つのが特徴と言えるでしょう。
クラウドストレージのメリットとは
クラウドストレージのメリットは、実にさまざまです。従業員にとっては、いつでもどこでもファイルを扱える環境により生産性向上や働き方改革へのシフトが大きなメリットになります。また、管理者にとっては、運用管理はベンダーが行うために管理性は大幅に向上するでしょう。経営者にとってはメールによるファイルのご送信などを防ぐことが可能なためセキュリティリスクの低減ができるというメリットもあるでしょう。
近年ではDXの推進が叫ばれており、国家的なプロジェクトに発展しています。クラウドストレージはその入り口として、これまでデジタルテクノロジーに積極的でなかった企業がDXのスタートラインへ立つために最適なクラウドサービスという位置付けであることも頷けます。
この他、クラウドストレージの代表的なメリットを以下にまとめてみました。
- サービス提供事業者がシステム管理を行うため、システム担当者の負担が増えない
- サービス提供事業者が常にソフトウェアを最新の状態にしてくれる
- アクセス権限を設定することでセキュアに利用できる
- 検索性がファイルサーバーより遙かに高く、資料を探す時間を大幅に短縮できる
- クラウドストレージベンダーのセキュリティ要件によっては、オンプレミスファイルサーバーよりも遙かにセキュアなファイル共有スペースとして利用できる
- インターネット経由で提供されるため共有が容易であり、外部の関係者とセキュアにファイル共有ができる
- メール誤送信などによる情報漏えいを防ぐことができる
- ユーザー数に応じて料金が固定される財務計画が立てやすい
- BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)の一環になる
- 社内外を含めて、ファイルの共同編集ができる
- 他のシステムと連携させれば、システムや業務フローをまたがってドキュメントの一元管理ができ、効率もセキュリティもガバナンスも向上する
- ストレージ容量を容易に拡張できる(容量が無制限の場合も)
アフターコロナのニューノーマルに向けて、クラウドストレージには今回ご紹介した以外にも多くのメリットもあります。ぜひこの機会にクラウドストレージを検討してみてはいかがでしょうか。
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