2025年3月19日、パートナー企業様向けのセミナーイベント「Box Japan FY26 パートナーキックオフミーティング」を開催しました。本イベントではBoxの事業戦略や、製品および各部門の最新情報やユースケースにまつわるさまざまなセッションをお届けしましたが、本記事ではサイボウズ株式会社 執行役員 営業本部長 清田和敏氏をお招きした対談セッションについて詳しくレポートします。
左から、株式会社Box Japan 上席執行役員 チャネル営業本部 本部長 兼 アライアンス・事業開発部 部長 安達徹也、
サイボウズ株式会社 執行役員 営業本部長 清田和敏氏
対談相手を務めたのは、株式会社Box Japan 上席執行役員 チャネル営業本部 本部長 兼 アライアンス・事業開発部 部長 安達徹也。「サイボウズとBoxの協業強化」に関するパートナー企業様向けの重要な情報やメッセージが語られました。
サイボウズ様のご紹介
対談の冒頭で、サイボウズ株式会社 執行役員 営業本部長 清田和敏氏がサイボウズ株式会社(以下、サイボウズ様)の簡単な紹介を行いました。
1997年に創業したサイボウズ様は、社内の情報を共有して効率化を図るためのソフトウェアを展開しています。創業時は「サイボウズ Office」という中小企業向けのグループウェアを直接販売していましたが、2002年に大企業向けグループウェア「Garoon」をリリースし、パートナービジネスを開始。その後クラウドビジネスへの転換を図り、2011年に「kintone」の展開をスタートしました。kintoneの連結売上高は2022年には100億円を突破し、着実に売上を積み上げています。
「kintoneは、あらゆるお客様の“現場DX”を推進するクラウドサービスです。プログラミングの知識がなくてもノーコードで業務のシステム化や効率化を実現するアプリを作成でき、顧客情報管理や案件管理、日報、契約書、申請業務、問い合わせ管理など、あらゆる業種のさまざまな業務をシステム化するために利用されています」(清田氏)
kintoneは、「データベース」「ワークフロー」「コミュニケーション」という3つの主要機能に加え、「拡張機能」を利用できる点も特徴です。カスタマイズ機能をパッケージ化したプラグインやAPIを使ったシステム・データ連携など、お客様の業務にぴったり合った形にカスタマイズすることが可能です。この拡張機能を利用できるスタンダードコースをご契約のお客様が大半を占めることから、kintoneだけでなく、kintoneと繋がる連携サービスも合わせてご販売、ご提案いただける点がパートナー企業様のビジネス領域の一つになっております。
また、サイボウズ様は「パートナー企業と共創するエコシステム型戦略」を営業戦略の基本とし、パートナービジネスを年々拡大しています。現在のオフィシャルパートナー数は500社、kintone連携サービスは400を超え、パートナー売上比率は全体の64.7%を占めます。
「kintoneはSMBに非常に強いサービスですが、より一層エンタープライズのお客様にも広めていくために『エンタープライズ事業本部』を今年新設しました。また、弊社ではグローバル事業を10年以上前から進めていますが、さらに力強くチャレンジしていくために『グローバル事業本部』も新設しています」(清田氏)
パートナービジネスの重要性
清田氏によるサイボウズビジネスの紹介のあと、対談はパートナービジネスに関するトピックに移りました。
安達は「Boxにとってサイボウズはパートナー営業の先生」としたうえで、Boxとサイボウズがパートナービジネスを非常に重視しており、そこに共通点を感じたことが清田氏に声がけさせていただいた理由だと説明。中でもサイボウズ様が2008年から実施している「CYBOZU AWARD」(サイボウズビジネスにおいて顕著な活動や実績を残したパートナー企業にアワードを授与する表彰制度)はまさに同社が“パートナーファースト”を体現していることの証であると語ります。
CYBOZU AWARDではサイボウズ製品の販売活動だけでなく、SI(システムインテグレーション)やアライアンス(サイボウズ製品と連携可能な独立サービス)、エクステンション(サイボウズ製品の拡張機能を提供するサービスやアプリパッケージ)などの分野で顕著な実績を上げられたパートナー企業を表彰。また、上位の企業様へはマーケティングファンドを用意して、プロモーション活動の支援を行っています。
「Boxは2005年設立後、主にエンタープライズを中心にビジネスを展開してきましたが、これからの10年はミッドマーケットとSMBの数字も伸ばしていきたいと考えています。そして、そのためにはサイボウズ様をお手本として、パートナー企業様との関わり合いを強めていく必要があります。一方で、エンタープライズやグローバルの部分は弊社の強みです。今後は、お互いの企業にメリットをもたらすよう連携を強化し、パートナー企業様とも一緒に歩みを進めていきたいです」(安達)
「現在弊社には500社のパートナー企業が存在します。販売が得意な企業様、SIに注力する企業様、プロダクトを作ることに長けた企業様などさまざまです。これからもエコシステムをさらに拡大したいため、サイボウズビジネスに興味がありましたら、ぜひお声がけください。また、弊社ではパートナー契約をする前にサイボウズビジネスに関するさまざまな情報を入手できる『レジスタード』という制度も設けています」(清田氏)
kintoneがSMB中心に広く浸透した秘訣
続いて対談は、Boxが今後の注力領域に掲げるミッドマーケットとSMBの話に移りました。清田氏はまず「kintoneがSMBでビジネスを伸ばしてきた秘訣や歴史」を、「製品」「トレンド」「プロダクトパートナー」「販売パートナー」という4つのカテゴリに分けて説明。そしてこの話を受け、安達は「Boxとサイボウズ様には共通パートナーが存在すること」が大きな強みであるとし、両者の連携をさらに深めたいと感じた理由として、Boxが毎年秋に開催している「Boxユーザー祭り」について話しました。
「昨年のBoxユーザー祭り'25に登壇いただいた8社のうち実に3社が、“kintoneとBoxの連携”についてお話いただきました。旭タンカー様、井村屋様、オンワードホールディングス様です。それを聞いて、私たちだけでなく、やはり多くのお客様がkintoneとBoxを連携させたいと思っていることを実感したのです」(安達)
旭タンカー様は、共通パートナーであるM-SOLUTIONS株式会社が展開する「クラウド連携プラグイン for Box」によってkintoneとBoxを連携し、業務効率化を実現されました。また、kintoneとBoxの連携ソリューションはほかにも数多く存在し、2025年にはリコージャパン様の「RICOH クラウドストレージ連携プラグイン」や、キャップドゥー・ジャパン様の「ストレージコネクト」、オーサムジョブ様の「k-Report」、メシウス様の「krewData」といったソリューションが新しくリリースされました。
「近年はお客様ニーズが多様化していますので、プラグインが拡充することで、お客様への提案シナリオを広げることができます。こうしたソリューションを販売パートナー様にお取り扱いいただき、お客様に活用提案をしていただけたらと思います」(安達)
パートナー企業様へのメッセージ
対談の終盤では、サイボウズ様が今後注力するエンタープライズ領域に関して話が繰り広げられました。まず清田氏が、エンタープライズ領域におけるkintoneのポジショニングに関して、日清食品グループ様の事例を引き合いに出しながら説明しました。
また、エンタープライズ領域におけるkintoneの活用事例をホームページで公開していること、2024年7月からエンタープライズに即したライセンス「ワイドコース」を用意していること、エンタープライズ領域においても大規模利用におけるサポートなど様々な面において、一定以上の基準満たしたパートナー企業様に『kintone エンタープライズパートナー認証』を設けるなど、パートナー様と一緒にビジネスを促進する方針と取り組みを紹介しました。
それを受け、安達は対談セッションを視聴しているパートナー企業様へメッセージを投げかけました。
「パートナー企業の皆様には、Boxのお客様にkintoneを、逆にkintoneのお客様にBoxをご提案いただければと思います。クロスセリングを仕掛けるためのベースはエンタープライズからSMBまで、あらゆる領域で整いつつありますので、ぜひよろしくお願いします」(安達)
「エンタープライズのお客様の中には、基幹システムはしっかり整えられているものの、現場のICT化やDX化はこれからというところが多くあります。シナジー効果の高いBox+kintoneの提案スペースはたくさんあると思います」(清田氏)
今後Boxはマーケティングイベントを中心としたデマンドジェネレーションの実現をサイボウズ様、そして販売パートナー様と連携して実施していきます。直近では、年次カンファレンス「BoxWorks 2025」が6月に東京、7月に大阪で開催されます。また、サイボウズ様の「Cybozu Days」も今年後半に開催されます。
Boxはこのような年次イベントを軸に、ブローシャーの作成や記事広告、共同集客、フォローアップセミナー等を積極的に展開し、両社製品の認知向上やナーチャリング、商談化、そして受注に至るまでの共通パートナー様の活動を連続的に支援していきます。
対談の最後に、清田氏と安達は両社の協業強化について次のように述べました。
「SMBに加えてエンタープライズ領域での連携強化に大きな期待を寄せています。お客様のニーズがあることは確実にわかっていますので、ぜひBoxのパートナー企業様にもご協力いただきたいです。また、両社プロダクトの進化を掛け算することによって顧客への継続的な価値を提供し続け、両社の製品価値を高めていきたいです。さらに、連携エコシステムの拡大にも期待しています。この部分は両社だけでは実現できませんので、パートナー企業様と密接に連携して実現していきたいと考えます」(清田氏)
「今後Boxとサイボウズは連携をさらに強めていきます。しかし、私達だけではビジネスを伸ばすことはできません。パートナー企業の皆様と一緒に歩みを寄せて皆様のメリットにもなるような形でビジネスを伸ばしていきたいと思います。そのためには今年のBoxWorksとCybozu Daysが大きな契機になりますので、ぜひ皆様にご協力いただき、一緒に『Box+kintone』を盛り上げていきましょう」(安達)
本記事を読み、BoxWorksへの出展やkintoneの販売などを検討されている企業様がいましたら、弊社またはサイボウズ様の営業にお問い合わせいただき、ぜひご相談ください。
- トピックス:
- Box製品情報