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東京2020オリンピックが仕事にもたらす影響と企業が取れる対策について

 公開日:2019.12.02  更新日:2023.04.18

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東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリンピック)開催まで、残りわずかになりました。日本中がオリンピックムードに包まれていく中、都内や都心に勤めるビジネスパーソンの胸中はあまり穏やかではありません。というのも、東京オリンピック開催期間中はたくさんの訪日外国人や国内観光客が都内に集中するため、交通機関の大混雑が予測されています。仕事にもたらす影響は未知数であることもあり、多くの企業が東京オリンピック開催期間中にどのような対策を取ろうかと思慮していることでしょう。

ここでは、各メディアで専門家が発表している情報をもとにしながら、東京オリンピック開催時までに企業が取れる、取るべき対策について紹介します。

東京2020オリンピックが仕事にもたらす影響と企業が取れる対策について

都内の交通機関は大混雑?!

東京オリンピックが開催されるのは7月24日から8月9日までの17日間、東京パラリンピックは8月25日から9月6日までの13日間です。この期間中、都内の交通機関は大混雑することが予測されています。

交通ネットワークに詳しい中央大学の田口東教示は、国土交通省の資料などを参考に試算したところ、以下のような混雑予測を立てています。

  • 都心の主要な乗換駅や路線で観戦客が通常の客と重なり、大きな混雑が起こる可能性
  • 大会期間中の朝に通勤ラッシュ時は乗車率200%※の電車が首都圏で1.5倍に増える
  • 駅ごとの乗客数の変化は東京駅で10%、新宿駅で20%、永田町駅で30%ほど増加する
  • 駅の構造を分かっていない、あるいは朝の混雑時のルールに慣れていない乗客が何十%か増えると人の流れそのものが止まる可能性がある
  • 湾岸エリアの豊洲駅では乗客が2.5倍に膨らむ
  • 新国立競技場の最寄り駅となるJR千駄ヶ谷駅では10倍以上もの人が利用することになる

※「体が触れ合い、相当な圧迫感がある」ほどの混雑状況を指す

出典:TOKYO MX NEWS『東京五輪、観戦客で駅は大混雑!? 専門家が試算』

専門家の予測が的中するかどうかは別として、東京オリンピック開催期間中は公共交通機関でのいつもとは違う大混雑が考えられます。また、高速道路や有料道路においても混雑が予測されているため、ビジネスパーソンの通勤だけでなく、運送業にも大きな影響を与えるでしょう。

東京オリンピック・パラリンピック準備局では、東京オリンピック開催期間中に交通機関に与える影響をマップで発表しています。開催期間中の混雑状況を1時間単位で確認できるので、自社周辺がどれくらい混雑するかを『大会輸送影響度マップ』で確認してみてください。

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東京オリンピック開催時の対策になるカギとは?

東京オリンピック開催時、都内近郊にオフィスを持つ企業に与える影響は計り知れません。まず、交通機関が混雑することで時間通りに出社できないビジネスパーソンが増加するでしょう。それを見越して出勤時間を早めるとなると、心身への負担が増し、ストレスも溜まるため1日のパフォーマンスに影響を与えます。また、東京オリンピック開催期間中は顧客との商談や打ち合わせのための移動も一苦労になる可能性が高く、ビジネスが思うように進展しないことも考えられます。

こうした問題を回避するための対策として注目されているのが、日本政府並びに東京都が以前から推進している「テレワーク(Tele-work)」です。総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府と、東京都および関係団体が連携し、東京オリンピック開幕式の7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけ、交通機関の混乱を避けるために予行練習としてテレワークの実施を呼びかけてきました。

日本政府や東京都がテレワークを推進しているのには大きな理由があります。それは、2012年に開始されたロンドンオリンピックにて、政府の呼びかけでロンドン市内の企業約8割がテレワークを実施し、これにより交通機関の混乱を回避できたという実績があるからです。

テレワークを実施することでビジネスパーソンは出社せず、交通機関の利用が不要になることから、ビジネスに与える影響を最小限に留められると指摘しています。また、ロンドンオリンピック開催時はテレワーク実践企業から、「従業員の生産性が向上した」などのビジネス効果も報告されていることから、東京オリンピック開催期間中の混雑緩和と、日本企業の生産性向上というダブルの効果が期待されています。

以下の企業は、東京オリンピック開催に先立ち明確な対応方針を定めています。

レノボグループ

レノボジャパン、レノボエンタープライズソリューションズ、モトローラモビリティジャパン、NECパーソナルコンピュータから成るレノボグループ4社の約2,000人を対象に、全社一斉テレワークの実施を予定しています。

さらに、7月23日から8月10日までの19日間で「スポーツ応援特別休暇」を実施し、期間中には2回の4連休、1回の3連休を用意し、残る8営業日は全社一斉テレワークを実施します。

参考:【NEWS RELEASE】2020年8月3日(月)~7日(金)に全社一斉「2020年夏・混雑回避休業」を実施 新国立競技場近隣の企業として周辺地域の混雑緩和に貢献

株式会社リコー

東京オリンピックが開催される7月24日から8月9日まで、本社オフィスをクローズし、本社に勤務する社員約2,000人が一斉にテレワークを実施します。

参考:2020年夏季期間中に本社勤務約2000人が一斉リモートワーク

東京都が推進する「時差Biz」にも期待が集まる

テレワーク以外の対策として注目されているのが、東京都が推進する「時差Biz」と呼ばれるワークスタイルです。「時差Biz」は従来の通勤時間からずらし、出勤時間に変化を加えることで混雑時を回避するためのものです。すでに実践している企業も多く、満員でない電車での通勤が如何に素晴らしいかを実感するビジネスパーソンが増えています。

「時差Biz」と同時にフレックスタイム制なども検討する企業も増える可能性もあります。フレックスタイム制ではビジネスパーソンの裁量で仕事時間を決められるため、交通機関の混雑を避けたワークスタイルが実現可能です。

他にも、サテライトオフィスの設置など東京オリンピックによる影響を回避するための対策は用意されているので、自社のビジネス環境を整理した上で実施可能な対策について検討を重ね、時間をかけて実施していくことが大切だと言えます。

クラウドストレージやSaaSを取り入れよう

また、東京オリンピック開催を機に、クラウドストレージ導入を検討する企業も増えています。リモートワークを実現するためには、社内だけではなく、社外からも安全に企業のファイルにアクセスできることが必須となります。インターネット上に用意されたファイル共有スペースを利用すれば、テレワークの実現に貢献することはもちろん、ビジネスパーソン同士の情報交換・コラボレーションを容易にして、東京オリンピック対策の一翼を担えることは間違いありません。Box Japanでも昨夏に2週間のテレワークトライアルを実施し、テレワークでもオフィスと変わらない生産性を上げられる、東京オリンピックのような一大イベントの他、台風といった自然災害時に出社ができない、するべきではない際は通勤時間分より生産性が上がるといった効果が確認できています。ビジネスを止めない効果をこの機会にぜひ、検討してみてください。

参考:Box Japan、全社規模のテレワーク検証を、2019年8月19日から1ヶ月間実施「Future of Work」プロジェクトの一環として、多様な働き方による効率化を測定

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