現在では当たり前になったテレワークに役立つツールとして挙げられるのが、Microsoft Teamsです。Microsoft Teamsは、テレワークに便利なビデオ通話や会議、チャット機能を搭載したクラウドサービスで、働き方改革やコロナ禍をきっかけとしたハイブリッドワークの推進もあり、多くの企業が導入しています。
本記事では、業務効率化のために求められるツールを紹介すると共に、Microsoft TeamsとBoxの特徴を解説します。Microsoft TeamsとBoxの連携で何が可能となるのかについても触れていますので、Microsoft Teamsの導入やより効果をあげることを検討されている方はぜひ参考にしてください。
ハイブリッドワーク時代に企業で求められるツールの役割
働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染の影響を受けて、社会全体にテレワークが広がりを見せています。それに伴い社内に人が集まる機会が減少していることで、オンライン上でコミュニケーションやコンテンツのやり取りを行う必要性が生まれています。そうした必要性に応え、ハイブリッドワークやテレワーク環境での業務を効率化してくれるツールの需要が急速に高まっています。
オンライン会議や社員同士のコミュニケーションなど、企業で活用できるツールを把握しておくことは、今後いつでもどこでも働けるようにする上で必須要件と言えます。そこで、テレワーク向けのツールにはどういったものがあるのかを改めて確認しておきましょう。ここでは3つに分類して解説します。
コミュニケーションツール
「コミュニケーションツール」とは、その名の通り社員間のコミュニケーションを円滑に行うためのツールです。オフィスでは問題なく行っていた報告や連絡、相談といったコミュニケーションも、テレワーク下では思うようにいかないのが多くの企業での課題です。社員同士のちょっとした雑談から生まれるアイディアや一体感、会社への帰属意識といったものも、それぞれが離れている環境ではどうしても希薄になりがちです。
そこで役に立つのが、チャットや掲示板、通話機能を活用したコミュニケーションツールです。リモート環境で社員同士がチャットでき、また資料作成依頼など業務を進める上で必要なやり取りも同時に行えます。最近は、「大人数でのコミュニケーション機能」や相互理解を深めるための「共同編集可能なファイル共有」といった、よりビジネスに即したサービスを盛り込んだコラボレーションも可能な、企業向けツールも提供されています。
その代表的なSlackとMicrosoft Teamsの違いを詳しく説明した記事を以下に記載していますので、ぜひ参考にしてください。
https://www.boxsquare.jp/blog/differences-between-microsoft-teams-and-slack
コンテンツ管理ツール
自宅でもより効果の高いコミュニケーションをしながら仕事を行う上で欠かせないのが、オンライン上での「コンテンツ共有」です。仕事の資料や成果物などを社員同士でリアルタイムに確認できるコラボレーション環境は、テレワークはもちろんのこと、あらゆる業務おいて必要不可欠です。一般的なチャットツールやメールを介して共有することも可能ですが、安全性や利便性を考慮すると社内で統一したクラウドストレージを利用してやり取りする方法が、DXを支えるハイブリッドワーク時代では最適解と言えるでしょう。
こうしたクラウドストレージのようなコンテンツ共有ツールを使えば、複数人でのリアルタイム閲覧はもちろんのこと、同じファイルでのコラボレーションも可能となります。ただでさえ、やり取りにタイムラグが発生しがちなテレワーク環境で、多岐にわたる業務用ファイルをスムーズに共有し、作業を効率化するにはどうしたらよいか。そんな問題を解決するため、コンテンツ共有ツールとしてクラウドストレージや、さらにコンテンツ管理機能も装備したコンテンツクラウドが導入されています。
テレビ/ビデオ/Web会議ツール
コミュニケーションでもう1つ重要となるのが、「テレビ/ビデオ/Web会議」(以下:Web会議)ツールです。現在、社内で一堂に会してミーティングするという機会が減り、Web会議の利用が増加しています。議題によっては、顔や資料の見えないチャットではなく、参加者を映し、共有イメージを持ちながら進められるWeb会議を開催する必要もありますが、そうしたニーズに有用なツールです。しかしそれだけでなく、希薄になりがちな社員間の連帯感を維持するためにも、Webによるリアルタイム性の高い顔の見える定期的なミーティングを行うことが推奨されます。
上記のような社内会議はもちろんのこと、最近では他社への営業などをWeb会議で行うケースも増えています。会議以外にも使い方次第で幅広く活用できるため、導入すればテレワークの多くの課題をクリアできるツールとなるでしょう。
Microsoft Teams とBox、それぞれできること
ここでは、Microsoft TeamsとBox、それぞれの特徴を解説していきます。両者の違いを理解し連携させれば、より活用の幅が広がるでしょう。
Microsoft Teamsはよりコミュニケーションに特化
Microsoft Teamsは、Microsoft 365を構成するクラウドサービスです。テレワークに移行した企業の中でも利用率が高く、以下のようにコミュニケーションを円滑にするための機能が備わっています。会話等々のいわゆるフロー情報を扱うことが得意なツールです。
- メールやチャット、ビデオ通話
- ファイル共有機能
- Officeアプリとの連携機能
ビデオ通話においてはグループ会話、1対1での会話、どちらの機能も備えており、特にビデオ会議機能は最大で300人まで対応することができます。企業説明会などのライブ配信イベントを開催する際には最大10,000人まで視聴者を参加させることができます。また、スマートフォンなどのモバイルデバイスでの利用もできます。
また、定番ツールであるWordやExcelとの親和性も高いのが特徴です。例えば、Wordファイルを開いて文書作成を行っているときに、同じ画面を見ながら離れた別の場所でも同時に編集をすることが可能です。
Microsoft Teamsについては以下の記事でも触れていますので、ぜひご覧ください。
https://www.boxsquare.jp/blog/microsoft-teams-functions-and-usage
Boxはコンテンツ管理に特化
Boxはファイル共有やコンテンツ管理に特化した法人向けクラウドサービスです。文書・画像・動画などさまざまなファイルを一箇所でセキュアに管理でき、コラボレーションを促進します。特に、Microsoft Officeで作成したファイルについて、管理や共同編集機能に秀でています。Teamsがフロー情報を扱うことを得意とする一方で、Boxはファイル、コンテンツといったストック情報を扱うことを得意とします。
「ファイルの共有や共同編集、アクセス権限や共有方法の設定、ログの取得、バージョン管理やワークフロー」なども完備。加えてセキュリティ面にも強く、アクセス制限や二要素によるユーザー認証などの強固な制御機能により保護します。これにより、スムーズに社内外の関係者と安全にファイルを共有できます。
また、業務で使用されることの多いMicrosoftのオフィスツールとの相性がとてもよいこと。それに加え上記のような企業で求められる豊富な機能・強固なセキュリティ・容量無制限、などの点から、Boxも多くの企業で採用されています。
「コミュニケーションに強いTeams」と「コンテンツ共有とコラボレーションに強いBox」。それぞれの機能に特化したこれら2つのSaaSを連携させることで、コミュニケーションの課題とコラボレーションの課題が解決され、テレワークがより生産性が高いものになるでしょう。ハイブリッドワーク促進の障壁もなくせます。
Microsoft Teamsと他のアプリを連携するメリット
Microsoft Teamsと他のアプリを連携するメリットは主に以下の3つがあります。
1つ目は、操作性が上がるという点で、Microsoft Teamsと他のアプリを連携させることにより、すべてのアクションがMicrosoft Teams上で完結するため、他のアプリへの移動をかなり減らすことができます。
そのため、PCのウィンドウやタブ切り替えをする必要がなくなるため、時間の節約になると同時にユーザーの負担も減らすことが可能です。
2つ目は、情報をリアルタイムに受信できる点です。業務に関する情報がすべてMicrosoft Teamsに集まるので、Microsoft Teamsを開いているだけで、情報の送受信の漏れがなくなります。
以上を踏まえて、無駄な作業を除き、業務上発生するミスおよび手戻りを防止することができるため、業務効率を上げることができるという点を3つ目のメリットとして挙げられます。
Microsoft Teamsの各機能の詳しい説明は以下の記事で解説しています。https://www.boxsquare.jp/blog/microsoft-teams-to-make-communication
Microsoft TeamsとBoxを連携する「Box for Microsoft Teams」の便利な機能
Microsoft TeamsとBoxのネイティブな連携を実現する機能「Box for Microsoft Teams」により、両者のメリットを最適に利用することができます。Box for Microsoft Teamsは、Boxで管理されたファイルの共同作業をMicrosoft Teamsの画面から効率的に行えるよう透過的にBoxにアクセスできるように設計されています。
たとえば、Boxの操作性をMicrosoft Teams上でシームレスに再現するためのさまざまな機能を実装したことで、両アプリケーション間の切り替えを不要にし、円滑なコミュニケーションとチームコラボレーションができ、効率良く働けるようになります。
Boxからのコンテンツ共有
BoxのコンテンツをシームレスにMicrosoft Teamsのチャネルやチャットで共有、また、ローカルのファイルをチャネルとそのチャネルに関連付けられたBoxフォルダにアップロードできます。その際に作成したコンテンツはBoxに保存されるため、どこからでも、どのデバイスからでもアクセスが可能です。
コンテンツカード
コンテンツカードから、関連付けられたBox上の共有ファイルの完全なプレビューを表示
Box Filesタブ
チャネルに関連付けられたすべてのBoxコンテンツ用に統合ビューを提供し、ファイルのプレビューやダウンロードが可能
モバイルアプリとの互換性
iOSおよびAndroidのMicrosoft Teamsアプリから、Boxファイルのアップロードや共有が可能です。また、オンラインやデスクトップ、モバイル版のOfficeアプリケーションでのファイル作成やファイルを介したコラボレーションをすることができます。
まとめ
テレワークの普及が進むにつれ、新たな働き方をサポートするツールの需要も高まる一方です。現在、「テレワークに必要なツールの導入を検討している」「ツールを利用しているが、業務が円滑に進まない」という課題を抱えている企業担当者の方も多いかもしれません。事実、2020年11月4日発表の東京商工会議所の調査でも、テレワーク実施の最大の課題がコミュニケーションでした。その解決手段の1つとして今回は、Microsoft Teams、そしてそれと連携可能なBoxを紹介しました。
メールやチャット、Web会議など相手に合わせて使い分けできるMicrosoft Teamsと、さまざまな業務用のコンテンツを集中管理・活用できるBoxとをうまく組み合わせ、コミュニケーションをコラボレーションまで発展させ、テレワークの課題を解決し、テレワークのメリットを最大限に活かしましょう。
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