今日の組織は、プロセスを自動化し、インサイトを抽出し、コラボレーションを強化し、貴重なコンテンツを保護するためのより良い方法を必要としています。
AIを活用したインテリジェントコンテンツ管理(ICM)で、働き方の未来を迎える時が来ました。
重要なキーワードは「インテリジェンス」ですが、「コンテンツ」はインテリジェンスを可能にする基盤です。実際、コンテンツはあらゆる企業が持つ最も重要な資産であり、企業のデータの90%を占めています。大規模言語モデル(LLM)のイノベーションにより、AIがすべての非構造化データの可能性を最大限に引き出します。
しかし、それは単なるAIではなく、適切な原則に基づいた安全で一元化されたコンテンツプラットフォーム上のAIのことです。
今年のBoxWorksでは、ほぼすべてのセッションがインテリジェントコンテンツ管理のコンセプトをベースとして、これまで活用できていなかったコンテンツの価値を最大限に引き出すことで、新しい時代の仕事がどのように変わるのかを詳しく説明しました。
インテリジェントコンテンツ管理へようこそ
デジタルトランスフォーメーション(DX)に関しては、先行している企業もあれば、クラウドによるコンテンツ管理に取り組み始めたばかりの企業もあります。しかし、DXの進捗状況に関わらず、インテリジェントコンテンツ管理の新時代がすべての企業にとって大きなビジネスチャンスとなっています。
Boxでは、最新のコンテンツ管理プラットフォームを導入する際に重視することについて、北米、ヨーロッパ、アジアの業界をリードする企業に調査を行いました。コンテンツ管理の最先端にいる企業は、取り組み始めたばかりの企業と比べて、およそ3倍高い割合で、AIを活用したインテリジェンスをKPIに据えていることがわかりました。*
また、調査によると、多くの企業が、セキュリティとコンプライアンスの強化、拡張性と柔軟性を兼ね備えたコンテンツ戦略の構築、AIを活用したワークフローを自動化と最適化を重視していることが明らかになっています。
業界をリードする企業のうち92%が、コンテンツ管理戦略においてセキュリティとコンプライアンスの強化が最優先事項だと回答しています。*
インテリジェントコンテンツクラウドが、エンタープライズグレードのAI、シームレスなコラボレーションとワークフロー体験、高度なデータ保護とコンプライアンスのすべてを、柔軟で相互運用可能なプラットフォーム上で実現します。これまでで初めて、あらゆる規模の企業がコンテンツの価値を最大限に引き出し、ファイル内のデータを活用してイノベーションを推進し、プロセスを自動化し、最も重要な情報を保護することができるようになります。しかも、そのコストは従来のシステムの数分の一です。
IDC 社でワークプレースソリューションのグループバイスプレジデントを務めるホリー・ムスコリーノ(Holly Muscolino)氏は、次のようにコメントしています。
「Box は、直近ではメタデータ管理や非構造化データからビジネスの付加価値を生み出す生成 AIの機能など、コンテンツのライフサイクル全体をサポートするインテリジェントコンテンツ管理プラットフォームに対する革新的な機能の実装に継続的に取り組んでいます。」
あらゆる種類と規模のビジネスにカスタマイズ可能なAI
今日、リーダーがコンテンツ管理戦略を立案する際、AIが最優先事項になっています。多くの企業がコンテンツ管理のためのAIを優先事項にあげるなか、63%の業界をリードする企業がAIと機械学習(ML)をコンテンツ管理戦略の重要な要素とみなしていると述べています。半数以上がAIと機械学習(ML)の活用にさらに投資する予定だと述べています。*
私たちが長い道のりを歩んできたことは明らかで、AIは今やビジネスのあらゆる局面で活用されています。しかし、やるべきことはまだあります。新しいAIモデルやユースケースが日々登場する中、進化し続けるAIに対応しながら、最新のAIテクノロジーを安全な方法で活用できるように支援してくれる適切なAIパートナーを持つことが、これまで以上に重要になっています。
昨年のBoxWorksでは、Box AIを発表し、お客様がBox内のコンテンツでセキュアな企業向けAIを利用できるようにしました。それ以来、ドキュメント、Box Notes、Box Hubs(9月にEnterpriseプランとEnterprise Plusプランのお客様に一般提供を開始した、コンテンツをキュレーションして公開できるインテリジェントなポータルサイト)で、Box AIによる無制限のインテリジェントなコラボレーションを実現してきました。
Box AIは当初、質問に答えたりコンテンツを生成したりするシンプルなAIアシスタントでしたが、企業が複雑なユースケースにAIを適用できる強力なプラットフォームへと進化しました。今年のBoxWorksでは、この進化の大きな一歩である、既存の製品群に新たにエンタープライズグレードの専用AIを提供するBox AI Studioを発表しました。Box AI Studioを利用することで、企業は独自のニーズに合わせた強力な Box AIエージェントを作成し、展開することができます。たとえば、特定の製品に精通したバーチャル営業担当者としてBox AIに行動してもらうことができます。
Boxのお客様は、お好みのAIモデルパートナーが提供するさまざまなモデルを使用して、お客様のブランドやビジネスにとって自然な言葉遣いや口調でお客様からの問い合わせに対応するなど、具体的な指示を含むエージェントプロンプトをカスタマイズできるようになります。
これらのエージェントは、正確かつ標準化された方法でタスクを実行し、インサイトを得ることができます。これにより、組織は特定のワークフローにパーソナライズされたAIエージェントを活用し、最も適切で正確な結果を得ることができます。
Box AI Studioは、2025年1月に提供を開始する予定です 。
昨年のBoxWorksでAIについて発表していますが、Boxはコンテンツのセキュリティ問題に対しても正面から取り組みました。このAIセキュリティアプローチの基礎は2023年に発表したBox AI原則に基づいています。現在ではこのアプローチをBox AIエージェントにも拡張しています。Box AI Studioを使用することで、管理者はAIエージェントを特定のユースケースに合わせて調整し、特定のタスクを完了する必要があるユーザーだけに割り当てることができます。例えば、営業アシスタントエージェントには、許可された営業のみがアクセスできるようになっています。
AIの分野では、Microsoft Copilot StudioおよびVertex AI StudioとBoxとの新たな統合も発表しました。開発者は、コンテンツを活用してビジネスプロセスを加速させるAIアプリケーションを構築できます。
AIで強化されたシームレスなワークフロー体験
ワークフロー自動化は今日の組織にとって非常に重要な優先事項です。最近のBoxの調査によると、コンテンツ管理の取り組みに関して最先端をいくリーダーは、取り組み始めたばかりの企業よりも25%高い割合で、コンテンツ管理プロセスを既存のワークフローにうまく統合していることがわかりました。68%のリーダーは、AIを活用した機能とインテリジェントなコンテンツ処理が成功を促進する重要な技術的要素であると認識しています。 *
事実、先進的な企業は、後進的な企業に比べて、コンテンツ管理戦略の最上位KPIとしてAIを活用したインテリジェンスを優先する割合が3倍高くなります。*
しかし、手作業が依然として組織の足かせとなっており、現在のソリューションではこの課題を解決できていません。従来のECM(エンタープライズコンテンツ管理)システムは時代遅れであり、複数のツールを組み合わせることは大きな負担となります。また、各ビジネスプロセスに対してカスタムアプリケーションを構築することは現実的ではありません。
これらすべてのソリューションには意思決定やワークフロー自動化にとって重要な情報がコンテンツ内に閉じ込められているという根本的な問題があります。これに対処するには、簡単にアクセスできるメタデータが必要となります。
この分野における最大の発表のひとつが、インテリジェントコンテンツクラウドでのAIを活用したセキュアなメタデータ抽出です。この機能により、大規模にコンテンツからメタデータを抽出し、それを活用してコンテンツの整理や検索を改善し、組織内のワークフローを加速することができます。例えば、契約書から有効期限を抽出することで、契約を更新し、ビジネスの継続性を確保できます。請求書から支払い金額を抽出することで、組織のビジネスルールに基づいて、支払い承認を適切な担当者に割り振りできます。これらの処理を大規模に行うことで、企業全体の生産性を大幅に向上させることができます。
企業は通常、テクノロジースタックにおいて、フォームの公開用ツール、文書生成用ツール、電子署名用ツールなど、個別のツールを使い分けています。BoxWorksでのもう1つの大きな発表は Box Formsです。これにより、フォームベースのビジネスプロセスがBox内でネイティブに効率化されます。
Box Formsは、ユーザーは魅力的なウェブフォームやモバイルフォームを簡単にデザイン、公開できます。フォームの送信をレビューや承認(Box Relay)、電子署名(Box Sign)など次のステップにシームレスに接続できます。
Box Doc Genを使えば、Box Forms、メタデータ、サードパーティやカスタムアプリケーションなど、さまざまなデータソースからデータを取得し、ユーザーはカスタムドキュメントを自動的に生成することができます。さらに、Box for Salesforceとの連携も強化され、Salesforceのレコードの情報を使ってドキュメントを自動生成するDoc Gen機能も追加されました。
ついに、画期的な新製品Box Appsを発表しました。Box Appsはインテリジェントなノーコードアプリケーションで、ビジネスを強化します。Box Appsは、ビジネスニーズにきめ細かく対応した専用アプリケーションを作成できます。カスタマイズされたコンテンツと統合されたワークフローの自動化により、重要なビジネスプロセスやあらゆる業務に対応するアプリケーションをこれまで以上に簡単に構築できるようになります。
例えば、人事部門ではポリシーアプリを作成し、就業規定や社内手続きの作成、更新、保守のプロセスを体系的に管理することができます。契約書アプリを使えば、ユーザーは期限切れの契約書など、注意が必要な製品を明確に把握し、契約日など、不足している重要な情報を簡単に見つけることができます。Box Doc Gen、Box Relay、Box Signを連携させて契約書を作成し、署名を集めることで、契約更新のようなプロセスを自動化することも簡単です。
Box Appsは、契約書管理、請求書処理、従業員のオンボーディングなど、何千もの重要なビジネスプロセスのためのアプリケーションをこれまで以上に簡単に構築でき、アプリ、ダッシュボード、メタデータビューを利用してコンテンツ体験を効率化できます。新たに登場したBox Apps、Box Forms、Box Doc Genと、既存の機能であるBox RelayやBox Signなどを組み合わせることで、強力で統合されたワークフロー自動化ソリューションを提供します。
高度なデータ保護とコンプライアンス
コンテンツセキュリティなくしてイノベーションはありえませんが、そこには大きなギャップがあります。 ITディレクターとITマネージャーの87%が、コンテンツ管理戦略においてセキュリティとコンプライアンスの強化を最重要課題として挙げています。しかし、現時点でこの取り組みに成功していると考えているのはそのうちのわずか3分の1(34%)です。*
例えば、多くの組織では、ビジネスゴールや コンプライアンスの義務を果たすために、利用されていないコンテンツを保持し続けなければなりません。データの量が増え続けるにつれて、エンタープライズコンテンツの保護という課題も急速に増大しています。
BoxWorksでは、コンプライアンスに関連する機能としてBox Archiveを発表しました。Box Archiveは、コンテンツの長期保存によるコンプライアンスの遵守の効率を高め、データの保護、コンプライアンス、長期保存を保証します。Box ArchiveはBox Platform上に構築されており、すべてのコンテンツのライフサイクル状態を一元的に管理することができます。
Box Archiveは、管理者がBox内にアーカイブされたコンテンツに、どこからでもすぐにアクセスできるようにするために開発しました。同時に、Box Archiveは企業の所有権を維持し、ユーザーのファイルと検索結果からアーカイブされたコンテンツを除外することで、アーカイブされたコンテンツへのアクセスを管理し、ユーザーがアクティブな作業に集中できるようにします。
BoxWorksでのセキュリティに関する発表は、Box Shield Content Recoveryです。Box Shield Content Recoveryは、ランサムウェア攻撃から迅速かつ正確にコンテンツを復旧し、数千ものファイルを数日ではなく数時間で復元することを可能にします。インシデントの規模に関係なく、Box Shield Content Recoveryは、管理者が復旧したいコンテンツを選択し、クリックするだけで復旧できる効率化された復旧プロセスで、迅速に稼働させることができます。そして重要な点として、Box Shield Content RecoveryはBox Driveと迅速かつ自動的に同期します。
Boxはまた、エンタープライズ管理コンソールの強化も行っています。Content Managerは、コンテンツがライフサイクルのどの段階にあろうと、管理者がコンテンツを管理し、保護するのに役立ちます。
すべてが、単一の相互運用可能なプラットフォーム上に
先進的な企業は、組織でのセキュアなAI導入に向けて努力していますが、時にはうまくいかないこともあります。
AIを安全にかつコンプライアンスを守りながら活用するために適切なガイドラインを評価することや、適切なツールを理解するのに課題や遅れを抱えています。
注目すべき点は、先進的な企業は、後進的な企業に比べて、クローズドよりもオープンアーキテクチャのコンテンツ管理システムを好む傾向が、2倍以上高くなるということです。
そして、リーダーの89%は、サイロ化したシステムへの依存から脱却し、より優れた統合により手作業とそれに伴うコストを削減するために、ストレージコストの削減とインフラの最適化を優先しています。*
これを達成するために、システムをつなぎ合わせ、技術スタック全体の効率を向上させるためさまざまなツールが必要になるでしょう。
Box Platformはすでに「あらゆるコンテンツ」のためのツールボックスの重要な一部となっています。開発者は独自のコンテンツサービスを構築することなく、すぐに作業を開始できます。何十万人もの開発者がBox Platformを活用してさまざまなアプリケーションやソリューションを構築し、自社のビジネスを強化しています。BoxWorksでは、インテリジェントコンテンツ管理(ICM)のユースケースをさらに充実させられる開発者向けツールを発表しました。Boxがサポートするクラス最高のAIモデルの中から独自のモデルを柔軟に選択(CYOM)できるDoc Gen APIやBox AI API、そして近日提供開始予定のBox AI Metadata Extractです。開発者はDeveloper ZoneやUI Elementsを通じて、リッチでインタラクティブな体験を始めることができます。
新たに発表したAIモデルのパートナーシップにより、Amazon BedrockとTitan、Anthropic、AzureとGoogle Cloudの強化など、開発者は、Boxでより多くのモデルを活用できるようになります。また、 LangChain社、LlamaIndex社、Pinecone社との開発者パートナーシップも発表しました。
Boxをコミュニティ全体に広げる
Boxでは、社会的インパクトを担うBox.orgを通じて、非営利団体への資金提供を行っています。今年で4年目を迎えるBox Impact Fundは、児童福祉、危機対応、環境といった分野で活動を強化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む団体からの応募を受け付けています。6つの助成団体にそれぞれ25,000ドルの助成金を支給しました。今年は新たに、非営利団体の職場のDXへの取り組みの一環としてAIを活用したプロジェクトに注力します。詳細と応募はこちらをご覧ください。
Box.orgを通じて、幅広いコミュニティへの支援に焦点を当てています。Boxは、11,000以上の非営利団体に寄付および割引価格でテクノロジーを提供することで、彼らが世界を変える大きなインパクトをもたらすための支援をしています。BoxWorksの重要な要素の一つとして、Box.orgはFoster Nation、The International Rescue Committee、The Nature Conservancy の3つの非営利団体がBoxを活用してミッションに取り組んでいることを紹介しました。
最後に、私たちは未来の働き方への道が必ずしも簡単ではないことを理解しています。ますます多くの組織がシステムインテグレーターを活用して、インテリジェントコンテンツクラウドを新たな高みへと引き上げています。これにより、AIプログラムを微調整・カスタマイズし、AIを取り入れるための正確なワークフローを開発しています。Slalom社はこの分野のリーディングカンパニーで、Forbesにより世界の優れたコンサルティング会社の一つとして認識されています。BoxWorksでは、画期的なパートナーシップを発表しました。BoxとSlalomは協力し、さまざまな業界の組織がAIの力を最大限に活用できるよう支援し、非構造化データから最大の価値を引き出す手助けを行います。
あらゆるレベルで、インテリジェントコンテンツ管理を活用
インテリジェントコンテンツ管理は、あらゆる規模のビジネスに変革をもたらします。インテリジェントコンテンツクラウドは、ビジネスをより速く、よりスマートに、より良くできるように設計されています。実行をスピードアップし、AIテクノロジーによる意思決定を可能にし、ヒューマンエラーを最小限に抑えて、ビジネスリスクを低減します。
画期的なAI製品ニュースをサポートするために、新たな料金プランとしてEnterprise Advanced プランを発表しました。 1 つのプランでBoxのインテリジェントコンテンツ管理プラットフォームのすべての機能を利用できるプランです。
Enterprise Advanced プランには、現在 Enterprise Plus プランで提供されているすべての機能に加え、Box AI Studio、Box Apps、Box Forms、Box Doc Gen、Box Archiveといった新しい機能、500 GB ファイルのアップロード、開発者向けツールの機能強化と API 割り当て上限の引き上げが含まれています。
お問い合わせはこちらから。
インテリジェントコンテンツ管理の詳細は、BoxWorksのオンデマンド配信をご覧ください。また、BoxWorks Box Hubでは、お好きなコンテンツをお選びいただけます。
引用:The Path to Intelligent Content Management
Boxの製品ロードマップおよび機能は変更される可能性があります。本ブログに記載されているBox製品または機能の開発、リリース、タイミングは、(a)Boxの単独の裁量によるものであり、(b)本投稿の日付時点でBoxが利用可能なリソース、製品計画、その他の情報に関する一定の仮定に従うものとします。本投稿に記載されている情報は、特定の機能、コード、または機能を提供することを確約、約束、または法的義務とするものではありません。お客様は、現在利用可能なBox製品の特徴や機能に基づいて購入の意思決定を行う必要があります。
※このブログは Box, Inc 公式ブログ(https://blog.box.com/)2024年11月12日(日本時間 11月13日)付投稿の翻訳です。
著者:Box
原文リンク:https://blog.box.com/intelligent-content-management-innovations-boxworks-2024
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