Boxで働き方改革を!企業のさまざまなアプリケーション/サービスと統合されたBoxが、時間、場所、組織、端末、アプリケーションなどの制約から解き放つ
「柔軟な働き方とセキュリティの両立を実現するBoxが、ワークスタイル改革を通して日本人のクリエイティビティを解き放つ」──2017年6月に開催されたBox Japanのフラッグシップイベント「Box World Tour Tokyo 2017」のゼネラルセッションで、Box Japan 代表取締役社長の古市克典氏はそう宣言した。Boxにより、企業の職場環境を縛る制約がどう解消されるのか? 古市氏の講演の要旨を紹介する。
今こそ生産性向上が急務。企業は働き方改革に本腰を
1980年代に企業におけるITの本格的な活用がスタートしてから、すでに30年以上が経過している。この間さまざまなテクノロジーが登場し、世界中でビジネスのあり方を大きく変えてきた。だが、「これまで日本は、ITを活用したビジネス変革の波にうまく乗れていなかったかもしれません」と古市氏は指摘する。
その根拠として挙げるのが、日本と他国のGDP成長率や労働生産性の推移だ。「例えば、米国や欧州、中国、日本の過去30年間のGDP成長率を比較してみると、他国に対して日本の成長率はずっと低いレベルにとどまっています。同じ傾向はOECD主要7カ国(日、米、英、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア)の労働生産性の比較でも見られ、やはり日本が最も低い水準にあります」(古市氏)
我々は、今後もこの状況を甘受するほかないのだろうか? 何か改善策はないのか? 「やるべきことははっきりしている」というのが古市氏の見解だ。それは企業の働き方改革である。
「今、日本には第3次産業化の波が押し寄せており、ホワイトカラーの生産性向上が急務となっています。それには、この領域における働き方改革が不可欠なのです」(古市氏)
働き方を縛る制約はBoxが解消する
企業が働き方改革を進めるには、大きく3つのステップがある。
1つ目は「職場環境の制約の解消」だ。今日の企業では、特定のPCを使わないと仕事ができない、オフィスにいないと仕事ができないといった制約のほか、データ保管容量の制約、社外とのデータ共有に関する制約、特定のアプリケーションへの依存、社外へのデータ持ち出しの制約などが人々の働き方を強く制限している。まずはこれらを解消しなければならない。
2つ目のステップは「勤務形態の改革」であり、ここでは在宅勤務やフリーランス勤務、育児休暇など、就業形態や雇用形態の多様化に対応する取り組みを加速する必要がある。
そして、3つ目のステップとなるのが「働く人々の意識改革」だ。これら3つのステップのうち、職場環境の制約の解消を実現するのがBoxである。古市氏は、「Boxを使えば、業務で利用するデバイスや場所などの制約から解き放たれ、社内外と安心/安全に情報を共有することができます。モバイル環境で業務アプリケーションが使えない場合でも、心配は無用です。Boxは120種類を超える業務ファイル形式に対応しており、自宅や外出先でファイルの内容を確認/変更することができます」と話し、第一三共、オリンパス、メディア・エンターテイメント業界などでのBoxの活用事例を紹介した。
「オンプレミスよりも安全」──企業を襲うサイバー攻撃からも業務データを保護
柔軟な働き方は、しばしばセキュリティやコストとのトレードオフで語られる。Boxを使えば、このトレードオフも最適なバランスで解消されると古市氏は話す。例えば近年、世界中の企業にとって大きな脅威となっている「公開サーバへの攻撃」、「ランサムウェア」、「標的型攻撃」といったサイバー攻撃も、Boxを使えば防ぐことができる。
「Box上のファイルは全て暗号化されるため、たとえサーバから盗み出されたとしても読み取られることはありません。全てのファイルは変更直前のバージョンが保管されるため、万一ランサムウェアによって不法に暗号化されてしまった場合でも、直前のバージョンに戻すだけで復旧できます。そして、メールへのファイル添付をやめ、Box上に置いたファイルを共有することで、標的型攻撃による感染の拡大も抑えられます」(古市氏)
また、Boxは米国政府が定めたFedRAMPやFIPS、ライフサイエンス業界のHIPAA/HITECH、証券業界のFINRA/SEC 17a-4、クレジットカード業界のPCI-DSSなど、主要なクラウド・セキュリティ/コンプライアンス規格に準拠しており、米国司法省や国防総省などの政府機関も機密情報の管理に利用しているほか、英国政府デジタルサービス(GDS)は政府機関に向けた推奨サービスの1つにBoxを認定している。Box Keysafeといった仕組みによりデータセキュリティをユーザー側でコントロール、また、Box Zonesではデータの保存場所を柔軟に選べる。「現在、アジア地域では日本、シンガポール、オーストラリアの3カ国を指定してデータを置くことがでます」と古市氏は説明し、「オンプレミスに置くよりも、Boxに置くほうがセキュリティが向上します」と断言した。
一方、コストに関しては、システムのライフサイクルを通してかかる手間や費用をトータルに評価することが肝要だと古市氏は指摘する。「自社でシステムを持ち続ける場合、ハードウェアやソフトウェア、構築、運用保守、障害対応、拡張などでさまざまな手間と費用がかかります。当初はBoxの料金を『高い』とおっしゃっていたお客様も、すぐにBoxを使うほうがトータルでコスト削減につながることに気付かれます」(古市氏)
さまざまなアプリケーション/サービスと統合されたBoxで新しい働き方を実現
企業が利用する1,000種以上のアプリケーションやサービスと事前に統合されており、常に最新のアプリケーション/サービスと連携させて使えることもBoxの大きな特徴である。古市氏は、「これは企業向けにさまざまなアプリケーション/サービスを提供する世界中のパートナー企業との協業によって実現されています。Box上にドキュメントなどのコンテンツを置いておけば、シングルサインオンによって各社のアプリケーション/サービスからシームレスに利用できるのです」と話し、重要なパートナー企業の1社として日本マイクロソフト執行役員の伊藤かつら氏を壇上に招き入れた。
全世界で月間アクティブユーザーが1億人に達し、日々増えているクラウド型のオフィススイート「Microsoft Office 365」はBoxと統合された主要なクラウドサービスの1つだ。両者を組み合わせて使う場合には、認証基盤としてクラウドベースのAzure Active Directoryが使われる。
「Azure Active Directoryは今日、全世界で1,200万社以上の企業で導入され、毎日、何百万人ものユーザーがログインして仕事をしています。BoxとOffice 365により、どこからでも、どんなデバイスからでも同じユーザー/パスワードで自由かつセキュアに業務情報にアクセスし、仕事をできる環境がすでに実現されているのです」(伊藤氏)
Office 365をはじめ、さまざまなアプリケーション/サービスと統合されたBoxにより、ワークスタイル改革の関門の1つである職場環境の制約は大きく解消されている。また、多くの企業が勤務/雇用形態の改革を進める現在、残る障壁は人々の意識改革である。これに関してはオフィスワーカーのみならず、IT部門も意識を変える必要がありそうだ。「企業のIT部門の方の中には、『我が社の社員にはBoxのような先進的なサービスを使いこなすリテラシーはない』と話す方が少なくありません」と古市氏。だが、米国アドビが全世界で5,000人のビジネスマンにアンケート調査によれば、クリエイティビティが最も高い国として日本を挙げる人が圧倒的に多かったという。古市氏は最後に、次のように呼びかけて講演を締めくくった。
「私たち日本人は、海外からも羨まれる高いクリエイティビティを持っています。皆さんは、それを古い仕組み/慣習によって自縛してはいないでしょうか。今こそ、クリエイティビティを解き放ち、イノベーションを起こす時です。そのためには、働き方改革とセキュリティの両方を実現する必要があるのです。」
※本記事の掲載内容は2017年6月9日現在の情報に基づきます
【期間限定】『Box World Tour Tokyo Online』でキーノート動画と資料を公開中!
他にも、ここでしか見れない貴重な事例セッション動画&資料も掲載しています。
Bow World Tour Tokyo Onlineはこちら(2017年8月31日まで)
boxsquare編集部(瓜山)
- トピックス:
- イベント