スマート・デバイスの普及やデジタル化の推進に伴い、流通/小売業界(リテール業界)で高まっているのが「店舗や取引先との間で宣伝材料やデザインコンテンツなどの電子ファイルを柔軟かつセキュアに共有したい」というニーズだ。この要求に応える法人向けクラウド・コンンテンツ・マネジメント・サービスとして現在、P&G、GAP、Amazon、ナイキといった大手小売企業をはじめとする世界中の企業・組織でBoxの導入が加速している。
2017年3月に東京ビッグサイトで開催された「リテールテックJAPAN」にも出展。会期中、人の波が絶えることのなかったBox Japanの志村裕司氏に、リテール業界におけるBoxの活用例と活用メリットを聞いた。
リテール業界はなぜBoxを選ぶのか? 多くの企業がDAMプラットフォームとして採用
Box Japanでセールスエンジニアリングマネジャーの志村裕司氏
今日、全世界の約7万1,000社、フォーチュン500社企業の64%で活用されているBox。国内でも資生堂や良品計画、P&G、GAP、ナイキをはじめ約1,500社で導入されている。採用業種は幅広いが、なかでも業務効率化 、ワークスタイル変革などの目的でBoxを積極的に利用しているのがリテール業界の企業だ。2017年3月に開催された「リテールテックJAPAN」に出展した背景には、デジタル・トランスフォーメーションが進む国内リテール業界での関心の高まりがある。
Box Japanでセールスエンジニアリング マネジャーを務める志村裕司氏は、リテール業界におけるBoxの代表的な活用例、選ばれる理由として、次の6つを挙げる(末尾の括弧内は主な用途/対象業務)
【リテール業界でのBox活用例/選ばれる理由】
(1)ビジュアル・マーチャンダイジング(マーチャンダイジング、店舗運営)
(2)デジタル・アセット・コラボレーション(マーケティング部門)
(3)店舗マネジメント(店舗運営)
(4)店舗トレーニング(店舗運営、マーケティング部門)
(5)店舗開発(不動産、建築、店舗開発)
(6)既存システムからの移行(IT部門)
【理由その1】このうち、「(1)ビジュアル・マーチャンダイジング」とは、商品企画や店舗運営のためのさまざまな電子ファイルを共有するという活用法だ。店舗や外出先などからモバイルでアクセスする機会の多い組織では、ネットを介してどこからでもアクセス可能なBoxがファイル共有基盤として最適なのだ。
【理由その2】また、「(2)デジタル・アセット・コラボレーション」とは、マーケティング部門が広告制作会社などと写真や動画などのビジュアル・コンテンツ、ドキュメントを共有するというケースである。
「これは『デジタル・アセット・マネジメント(DAM)』と呼ばれる活用法で、Boxが広く利用されている用途でもあります。Boxでは機密文書に電子透かしを入れられますし、誰がいつファイルを見たのかも把握できます。ファイルをダウンロードさせずにWebブラウザやスマート・デバイス上で閲覧する“プレビュー権限”で共有可能なため、機密性の高いファイルを回覧するといった用途にも有効です」(志村氏)
プレビューはBoxが力を入れている機能の1つであり、現在は約120種類のファイル形式に対応している。企業が扱う大抵のファイルは、Box上でレイアウトなどの崩れもなく綺麗にプレビューすることができる。これによりファイル流出のリスクを大きく抑えられるのだ。
共有したファイルには各自がコメントを付けられるため、メールで回覧する場合と比べてレビューもスムーズに進められる。他のDAM専用サービスと比較してシンプルで使いやすく、低価格であるいったことも、Boxが広くリテール業界で支持されている理由である。
リテール業界でBoxが選ばれる6つの理由【後編】
Boxsquare編集部(瓜川)
- トピックス:
- イベント